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健康経営の取り組み

三菱ケミカルグループ(MCGグループ)では、従業員一人ひとりが、やりがいと満足感を実感しながら、いきいきと活力高く働き、仕事と生活のバランスが取れた豊かな人生を送れるように、人と組織の健康と安全を大切にする「健康経営」に取り組んでいます。

  • 健康経営は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。

詳しくは、MCGグループのウェブサイトをご覧ください。
健康経営への取り組み
https://www.mcgc.com/group/health_productivity_management/index.html

健康宣言 三菱ケミカルグループの健康経営

健康経営の基本方針

MCGグループの健康経営の基本方針に基づき、MTPCグループでは、以下の健康方針を定めて取り組みを進めています。

  • 田辺三菱製薬株式会社の略称
MTPCグループ健康方針
1.私たちは、世界の人々の健康に貢献するために自らが健康であるように努めます。
2.私たちは、一人ひとりが自らの能力を十分に発揮し、いきいきと働くことができる職場づくりを進めます。
MTPCグループ健康管理運営体制
戦略マップ

2023年度実績値(MTPCグループ)

健康経営の取り組みについて実施状況を評価するための指標を設定し、各年度の実績値としてまとめています。定期健康診断、精密検査受診率、全従業員対象のe-ラーニングについては受診率(受講率)100%をめざしています。そのほかの各項目の有所見率、問診項目については、前年度より改善することを目標値としています。がん検診の受診率については健康保険組合で設定している75%を目標値としています。

社会からの評価

2023年度は、経済産業省が推進する「健康経営優良法人~ホワイト500~」(大規模法人部門)に田辺三菱製薬グループとしては2017年度から8年連続、MCGグループとしては初の認定を受けました。健康経営に取り組む企業を「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」で評価し、MCGグループはすべての評価項目において業種平均を上回り、特に「経営理念・方針」の項目での評価が高い結果となりました。
MCGグループの健康経営は、Purpose実現を担う従業員一人ひとりのWell beingの向上を健康の側面から支援して組織と人の活躍を最大化する取り組みと定義し、MCGグループ健康経営の基本方針に基づき展開しています。また活動内容としては、「健康的な生活習慣」「こころの健康」「働きやすい環境」の3つの柱を中心に、プレゼンティーズム・アブセンティーズムの改善やワークエンゲイジメントの向上につなげていきます。

  • プレゼンティーズムは「健康の問題を抱えつつも仕事(業務)を行い仕事の生産性が下がっている状態」、アブセンティーズムは「仕事を休業している状態」を表す言葉。

MCGグループは、従業員が行うスポーツ活動の支援や促進に向けた取り組みを実施している企業を認定する「スポーツエールカンパニー2024」(スポーツ庁)に認定されました。
当社では、運動促進のための取り組みとして、健康保険組合と協働でウェアラブルデバイスを活用したウォーキングキャンペーンや健康イベントを毎年実施しています。また2020年度からは、コロナ禍での身体活動量の低下からくる身体の不調に対し、社内マッサージ師によるストレッチ動画配信やスポーツクラブトレーナーによる対面・オンラインハイブリッド形式での運動セミナーなど、自発的な運動習慣の動機付けを行っています。そのほか、家族も使えるスポーツジムの割引利用などさまざまな角度から取り組みを続けています。

従業員へのがん予防対策の取り組みに対し、がん対策推進企業アクション(厚生労働省委託事業)が選定する「がん対策推進優良企業」に4年連続で認定されました。
当社では、健康保険組合による人間ドックの費用補助や、人間ドックの定期健康診断への代替化によるがん検診の受診勧奨をはじめ、治療と仕事の両立支援制度の導入、社内がんサロンの開催など、従業員へ向けたがん対策を進めています。2021年度からは全従業員対象のがん予防e-ラーニングを実施し、受講率は2021年度は92.7%、2022年度は96.2%でした。2023年度は子宮頸がんワクチンに関するe-ラーニングを行い、受講率は96.5%となりました。

従業員のワーク・ライフ・バランスの実現

当社グループは、従業員が心身の健康を維持し、ワーク・ライフ・バランスの取れた充実した人生を送るために、「過度の長時間労働の防止」と「確実な休暇の取得」を健康経営実現のための重要施策の一つに位置付けています。
従業員の健康は会社にとって重要な財産であり、働き方が大きく変革する時代にあっても、従業員一人ひとりが健康で活力に満ちた毎日を送ることが新しいアイデアの創出やモチベーション向上、エンゲージメントの深化につながるものと考え、2023年度TM運動の取り組み状況を踏まえ、2024年度は主に「確実な休暇の取得」と「総実労働時間の適正化」を中心としたTM運動を国内グループ全体で展開していきます。

  • 管理監督者を含む、当社国内グループ全体

2024年度TM運動~2つのTM~

2024年度は「2つのTM」を実現することで、1人あたりの年間総労働時間を1,850時間以下にすることを目標として掲げ、各取り組みを展開していきます。

  1. 時間外労働の削減(Time Management)
    全社的には、夜間早朝および休日の作業・メール送付の原則禁止、週1回以上の定時終業日の設定(金曜日を推奨)、また特に長時間労働者の個別フォローや各拠点における労使での時間外労働状況確認などを実施します。各組織においても、働き方や繁忙状況など、特色にあった取り組みを実施します。
  2. 適切な休息の確保(Time Making)
    引き続き有給休暇取得率70%(15日)以上を目標に、取得を促進するための施策として、一斉年休(年2日)や有給休暇取得奨励日(年5日)の設定、未取得者の個別フォローなどに取り組んでいきます。

2023年度TM運動実績

有給休暇取得率については、目標:70%以上を達成(77.9%)しました。管理監督者を含む長時間労働者数(時間外労働が年間360時間超)は前年度比15.1%増となり、2023年度の目標:前年度比減は未達、年間総実労働時間についても前年度比2.9%増という結果になりました。一部組織における勤務制度変更による影響が大きく、実際の勤務時間が著しく増加したものではありませんが、引き続き削減に向けて取り組みます。

年間360hr超人数
有給休暇平均取得率

生活習慣病予防対策強化

生活習慣病予防のための取り組みとして、高血圧対策と禁煙支援を重点施策として展開しています。

高血圧対策としては2017年度から「リスク層別化血圧管理プログラム」を実施しています。これは、今後10年間で脳・心血管障害を発症するリスクを健診結果および既往歴から層別化し、支援の対象を高リスク・中等リスク・低リスクの3段階に分け、血圧を基準としたコントロール状況を確認することで生活習慣の改善を促すプログラムです。プログラム参加者には現在の治療状況を確認する調査を行い、必要に応じて産業医面談を実施するほか、血圧管理のための生活習慣改善セミナーなどを実施しています。
2023年度は、高リスク者の75.3%、中等リスク者の24.4%(任意での参加)がセミナーに参加し、血圧予防のための知識を学ぶ機会となりました。2022年度プログラム参加者における改善状況では、高リスクの該当者割合は前年度の4.1%から3.8%に減少、中等リスクの該当者割合は24.1%から23.8%に減少しました。

禁煙施策は2017年度より「3ヵ年卒煙プログラム」として社内の禁煙推進を図り、社内全時間禁煙・敷地内禁煙・就業時間内の喫煙の取り決めについて就業規則へ明記してきました。2020年度からは会社、健康保険組合、労働組合が三位一体となった卒煙推進体制を構築し、毎年5月31日の世界禁煙デーには、労使のトップ(代表取締役、労働組合委員長)から禁煙推進メッセージを発信し、禁煙推進の風土づくりを進めています。
2023年度は会社と健康保険組合のコラボヘルスとして、禁煙をサポートしてくれるサポーターと一緒に禁煙にチャレンジする「Oneチームキャンペーン」を行いました。さらに各事業所においても独自の卒煙イベントを実施し、事業所ならではのきめの細かい温かいサポートで卒煙者を支援しています。
2023年度からはMCGグループ全体で喫煙率の調査を実施し、田辺三菱製薬グループの喫煙率は9.7%となりました。
今後も喫煙率5%をめざし、各組織の強みを活かしながら一丸となって卒煙を推進していきます。

喫煙率の推移
  • 2023年度から調査方法をMCGグループ統一基準に変更
禁煙宣言
小野田事業所で実施した「卒煙ダービー」贈呈式。禁煙にチャレンジした参加者全員に色紙を、卒煙達成者にはトロフィー&メダルを工場長より贈呈しました。

メンタルヘルス予防対策

当社グループでは2010年から毎年1回ストレスチェックを実施しています。ストレスチェックの受検率は年々増加しており2023年度は99.0%となりました。ストレスチェックは、職場環境の改善につなげるための組織分析を行い、そこから抽出した課題を各部門・国内関係会社の人事担当に職場環境改善に活用できる参考資料としてフィードバックしております。
さらにストレスチェックの結果、高ストレスに該当した人のうち、腰痛や肩こり、頭痛などの慢性的な痛みを持つ人を対象に、痛みの改善からストレスへのアプローチを行うプログラムを導入しています。プログラム参加者は、痛みの軽減が図られストレス度が改善してきています。

セルフケアの推進としては、MCGグループ全従業員を対象にしたe-ラーニング研修を導入しています。研修では、「一人で抱え込まずに早めに相談する」ことをテーマに、人に相談することによって得られる効果や相談の仕方のコツを学び、田辺三菱製薬グループでは97.3%と高い受講率を維持しています。また、ラインケアとしては、「部下と専門家をつなぐ」ことをテーマに、部下の話を聞く時のポイントと専門家へつなぐ方法を学ぶため、三菱ケミカル、田辺三菱製薬グループの管理職を対象にe-ラーニング研修を行い、田辺三菱製薬グループの受講率は97.6%となりました。
また、実際に職場でメンタルヘルス不調者が発生した場合にどのように対応したらよいか、社内の運用をまとめたメンタルヘルスガイドブックを作成し周知しています。メンタル不調から休業に至った従業員に対しては、休業のために必要な手続きから休業中の過ごし方、職場復帰に向けた準備をまとめた「休業中のしおり」を配布し、スムーズな職場復帰に向けたサポートを行っています。

  • ラインケアとは、日ごろの職場環境の把握と改善、部下の相談対応など管理監督者が行うメンタルヘルス対策のこと。
【メインアウトカム】 自覚症状の合計個数の変化
【メインアウトカム】 有症状日数の変化
【サブアウトカム】 うつリスク合計スコアの変化

出典: BackTech Inc.

メンタルヘルス対応ガイドブック
休業中のしおり

感染症予防対策

田辺三菱製薬グループは医療機関を訪問する機会の多い営業職が多数在職することから、感染症対策を強化し取り組みを推進しています。2023年度の主な活動は①風疹の追加的対策の推進 ②インフルエンザ予防接種の推進 ③感染症リテラシーの向上の3つの柱を中心に進めました。

  1. 風疹の追加的対策の推進
     政府が推進する風疹の追加的対策について、2019年度より積極的に社内での取り組みを進めています。第5期定期接種の対象者には、風疹抗体検査を促し、2019年度・2020年度には大規模事業所において事業所内での検査の実施機会を設けました。また2023年度は全従業員を対象にした風疹に関する動画研修を行いました。研修では、先天性風疹症候群の子供を持つ家族の講演内容を動画配信し、自分事として風疹の追加的対策の必要性を理解する機会としました。研修終了後のアンケートでは、先天性風疹症候群について「理解できた・まずまず理解できた」と回答した人が合わせて99.6%という結果になりました。
  2. インフルエンザ予防接種の推進
     毎年、事業所内でインフルエンザワクチンの集団接種を実施し、社内の感染拡大を予防しています。ワクチン接種の費用は健康保険組合が補助しており、2023年度の接種率は67.7%となりました。
  3. 感染症リテラシーの向上
     従業員が感染症予防の正しい知識を身に付けて安心感と自信を持って仕事ができるように、2020年度から全従業員対象の感染症e-ラーニングを実施しています。学習内容は社会的な背景も踏まえながら毎年テーマを設定し、最近では「基本的な感染予防対策」「新型コロナウイルス感染症」「インフルエンザウイルス」「風疹追加的対策」「海外渡航の注意」などを取り上げてきました。2023年度は感染が原因で起こるがんの一種である「子宮頸がんと子宮頸がんワクチン」について学ぶ研修を実施し、受講率は96.5%となりました。研修終了後のアンケートでは、99.5%が子宮頸がんの発生原因とワクチン接種の有効性について「理解できた・まずまず理解できた」と回答しました。

今後もさまざまな角度から感染症に対する知識啓発を継続し、従業員が安心して働ける環境づくりにつなげていきます。

女性の健康支援

田辺三菱製薬グループでは、2021年度に全従業員を対象にした女性の健康についての意識調査を実施し、「女性の健康問題が仕事の生産性へも影響していることへの理解不足」と「妊娠・出産に伴う症状や疾患がキャリアの断念や休職や退職の要因となっている」ことが明らかとなりました。その結果を踏まえて、2022年度からは全従業員対象のオンラインセミナー(「女性の健康課題について」「更年期障害」など)を開催し、女性の健康に対する理解を深める機会としています。
また2023年度からは、MCGグループ全体で女性の健康に対する取り組みを始めました。2023年度は全従業員対象のアンケート調査(ルナルナオフィスチェック)を実施し、当社グループ女性従業員の月経に伴う不調や更年期症状でのプレゼンティーズム、アブセンティーズムが明らかとなりました。これらの健康課題に加え、婦人科のがんや妊活・不妊治療なども含めた女性の健康課題に対し、オンラインセミナーや情報提供に取り組んでいます。2023年10月のピンクリボン月間には、がん研有明病院の高野利実医師(乳腺内科)を講師としてお招きし、MCGグループとして初めてのオンライン乳がんセミナーを開催、多くの従業員が参加しました。

  • 株式会社LIFEMが提供する、働く女性の健康課題改善をサポートする法人向けフェムテックサービス。フェムテックは女性(Female)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、女性が抱える健康課題をテクノロジーの力で解決するもの。
講師の高野 利実先生とセミナー事務局のメンバー
セミナー参加者(希望者)に乳房マッサージ用シャワーカード(認定NPO法人乳房健康研究会)をプレゼント

エイジフレンドリー対応(転倒労災防止対策)

MCGグループでは「人的要因に着目した転倒労災防止対策」として、転倒しにくい身体機能を維持向上するための「三菱ケミカルグループ体操」と、自身の転倒リスクを把握する「安全安心体力テスト」を2本柱として推進しています。
転倒労災の予防は世界共通の課題となっており、事業者には、安全対策だけではなく、高年齢化が進む職場において年を重ねてもイキイキと活躍できる「エイジフレンドリー」の観点も含めた積極的な対応が求められています。

2023年11月、MCGグループではグローバルで全従業員を対象に転倒労災防止対策について理解を深めるためのe-ラーニングを実施しました。
田辺三菱製薬グループにおける受講率は95.8%で、多くの従業員にとって学ぶ機会となりました。
今後は田辺三菱製薬グループにおいても転倒リスクレベルや働き方の多様化を踏まえて、製造・研究拠点とオフィスワーカー拠点など働く状況に応じた効果的な運用・展開方法を検討し、進めていきます。

Team会議の冒頭に職場メンバーがオンラインで「三菱ケミカルグループ体操」を実施している例

コラボヘルス

当社グループでは健康保険組合とのコラボヘルスを推進しています。三位一体で取り組んでいる卒煙施策をはじめ、がん検診の受診率向上、特定保健指導の参加率向上、各種保健事業についても会社と健康保険組合の協働で参加促進を図っています。

がん検診受診率向上に向けた取り組み
2018年度から35歳以上の従業員を対象に、定期健康診断の人間ドック代替を進めています。人間ドックの受診結果を定期健康診断結果と代替することで、がん検診の受診率向上をめざしており、5大がん検診の受診率は年々向上しています。また人間ドックの受診申込時期に合わせ、2021年度からがん予防のためのe-ラーニング研修を全従業員対象に実施しており、受講率は2023年度(感染症e-ラーニングと同時実施)は96.5%となりました。
健康保険組合の保健事業(ウォーキングキャンペーン、歯科集団検診)
健康保険組合では被保険者を対象にさまざまな保健事業を実施しています。毎年開催されるウォーキングキャンペーンは、ウェアラブルデバイスを健康保険組合のポータルサイトに連携することで、日々の歩数がキャンペーンサイトに反映される仕組みになっています。キャンペーン期間中に歩いた歩数に応じて達成ポイントが付与され、そのポイントを集めることで好きな商品と交換することができます。2023年度のウォーキングキャンペーン参加率は、上期:27.8%、下期:26.2%となりました。
また年に1度、事業所内で希望者に対し歯科集団検診を実施し、口腔衛生の向上に努めています。受診者の検診費用は健康保険組合が補助しています。
人間ドックの定期健康診断代替化率の推移
国が推奨するがん検診受診率
  • 肺がん検診は胸部レントゲンまたはCT検査実施者数で集計

社内マッサージの実施

健康経営の取り組みと障がい者雇用の一環として、本社にマッサージルームを設置し、あん摩マッサージ指圧師の国家資格免許を持つ視覚障がいのある従業員が施術を行っています。従業員から、「マッサージ後は身体が軽くなり、業務にも集中できます。」「会社の福利厚生として、とても良い取り組みだと思います。」などの感想が寄せられ、大変好評です。マッサージルームの2023年度の稼働率は99.6%と非常に高い水準を維持しており、利用者に実施したアンケート調査では、マッサージスキルについて「とても良かった(65%)」「良かった(35%)」という高い満足度が得られています。
またテレワーク勤務者が増えたことから、自分でできるストレッチやツボの紹介を定期的にオンライン配信し、従業員のセルフケアの向上につなげています。

マッサージルームでの施術の様子
オンライン配信:板状筋のストレッチ紹介
マッサージルーム

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