環境 汚染防止への取り組み
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音・振動、悪臭等の公害防止に努めており、各拠点では汚染物質に対して法定排出基準よりも厳しい自主基準を設定し、日々運用しています。また、環境中期行動計画21-25において、環境汚染の防止に関する目標を立て活動に取り組んでおり、法令で規制されているPRTR対象物質、VOCについては、外部への漏えい防止と自然環境への排出量の削減に努めています。
大気汚染の防止
当社グループは、燃料を使用するボイラー、冷温水機、発電機等の運転時間を短縮することで、ばい煙の発生を抑制しています。
国内拠点では概ね、ばい煙発生機器の燃料を油類からガス類に転換しており、ばい煙中の大気汚染物質濃度を低下させています。
また、海外拠点のばい煙発生設備においても、各国の規制強化に対応し、必要に応じて機器の改良や更新を進めることで、環境汚染対策を強化しています。
水質汚濁の防止
当社グループの生産・研究拠点から排出される有害物質等は、可能な限り産業廃棄物として外部処理することで、排水への混入を抑制しています。また、排水は放流前にpH調整と浄化処理等を行うことで、排出基準を遵守しています。
特に、排水を公共用水域に放流している田辺三菱製薬工場(小野田工場、吉富工場)およびミツビシ タナベ ファーマ インドネシア(バンドン工場)においては、排水の活性汚泥処理を実施し、下水放流よりも厳しい公共用水域への排出基準を遵守しています。また、国内2工場においては、排水のpH、COD、窒素、リンについて連続測定を実施し、異常を検出した場合は、瞬時に排水の放流を停止して予備貯水タンクに貯留する措置を講じています。
土壌・地下水汚染の防止
当社グループが土地を所有している国内拠点については地歴調査を実施し、土壌汚染のリスクを特定しています。また、土壌調査にて土壌・地下水の汚染が確認された場合は、監督官庁に届け出て適正な対応を実施しています。
拠点 | 実施事項 | 実施内容 |
---|---|---|
台湾田辺製薬 新竹工場 |
地下水浄化 | 2019年度に判明した地下水汚染の浄化工事および当局審査を完了 |
田辺三菱製薬 吉富事業所 |
土壌汚染状況調査 | 事業場内会社の新棟建設に伴い、土壌調査を実施(土壌汚染なし) |
騒音・振動・悪臭の防止
当社グループ国内拠点では、関連法令に従い、騒音・振動・悪臭のモニタリングを実施しており、設定した基準内であることを確認しています。
PRTR対象物質およびVOC
当社グループでは、化学物質排出把握管理促進法に基づき、当社施設で取り扱うPRTR対象物質の取扱量と環境への排出量の管理を進めるとともに、所在の都道府県に適正に届出を行っています。
研究所から排出されるPRTR対象物質を含む有機廃溶媒はすべて産業廃棄物として処理し、公共用水域への排出を最小限に抑えています。
また、製造工程の検討を進め、対象有機溶媒の使用量の削減に努めています。
VOCについても取扱量と排出量の管理を進めるとともに、回収設備を整備し、自然環境への排出量の削減に取り組んでいます。
PCBの処分
当社グループ国内拠点では高濃度PCB(ポリ塩化ビフェニル)機器についてはすべて処分を完了しました。
一方、低濃度PCB廃棄物については経済産業省からの通知(2022年3月31日)も含め、確認調査を実施しており、処分期限の2027年3月までに処分を順次進める予定です。
アスベスト
当社グループの国内拠点では、石綿障害予防規則に基づいて過去に吹き付けアスベストの調査を実施し、該当するものについて飛散防止措置を実施しています。また、施設の撤去・改修工事を実施する際には、撤去する吹き付け材、保温材、建材などについてアスベストの有無の調査や、調査結果の行政への報告など適正な法対応を実施しています。
遺伝子組換え生物、病原体等
当社グループでは、多様なモダリティを志向した創薬研究に取り組んでおり、さまざまな研究材料や試料を取り扱う機会が増えています。遺伝子組換え生物の使用にあたっては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」等の関連政省令に基づく社内規程を設定し、これを遵守するとともに、社内審査委員会にて拡散防止措置等の事前審査を受けることで、環境中への拡散を未然に防止しています。
また、病原体およびこれらを含有する可能性のある研究材料や試料の使用にあたっては、「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」等の法令に基づく社内規程を設定し、病原体等の漏えいを未然に防止しています。