マテリアリティ
当社グループは事業を通じて社会に価値を提供し、持続可能な社会の実現に寄与していくことが、当社の存続と成長に不可欠であると考えています。その考えを明確にし、取り組みを強化していくため、2018年度、当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を、下記のプロセスにより特定しました。
その後、社会・環境問題はますます深刻さを増し、それに応じて社会からの要請も変わってきています。このような変化の中、これまで当社が成し遂げてきたこと、これからのヘルスケアを考え、田辺三菱製薬が未来の社会でどうあるべきかを見つめ直した結果、これまでの企業理念とめざす姿を、新たにMISSIONとVISION 30に改めました。そして、それらの実現のために2021~2025年に何をすべきかを示したのが中期経営計画21-25です。これらを策定する中で、マテリアリティについても見直しを行いました。
見直しにあたっては、当社が中期経営計画21-25を達成し、持続可能な社会の実現に貢献するために何が重要であるかを議論し、必要に応じて2018年特定のマテリアリティに追加・修正を行いました。
そして、経営層の承認を経て、新たなマテリアリティとして、以下8項目を特定しました。
マテリアリティ特定プロセス
ステップ1 考慮すべき社会課題の抽出
マテリアリティを特定するにあたり、国際的なガイドライン、GRIスタンダードなどに加え、SASB※1の製薬産業の評価基準、ATMインデックス※2の評価項目なども勘案し、考慮すべき社会課題を包括的に抽出しました。
- ※1Sustainability Accounting Standards Board(サステナビリティ会計基準審議会)。サステナビリティの開示基準を業種別に策定・公開している米国の非営利団体。2021年にIIRCと統合し、Value Reporting Foundation(VRF)を設立。
- ※2Access to Medicine Index。世界の製薬企業上位20社の医薬品アクセス改善における貢献度を評価し、ランク付けしたもの。オランダを拠点とする非営利団体Access to Medicine Foundationが実施。
ステップ2 社会課題の優先順位付け
ステップ1で抽出した社会課題について、当社グループの重要度を当社の価値観・大きな方針、戦略・具体的な活動目標、リスク関連情報などから評価しました。
また、ステークホルダーの重要度を評価するため、社外のステークホルダーを代表し、責任投資を推進する評価機関が重要視する項目を分析整理しました。これら2軸でマテリアリティマップを作成し、優先順位の高い項目を絞り込みました。
ステップ3 妥当性確認とマテリアリティの特定
作成したマテリアリティマップの妥当性を社内・社外有識者との協議を経て確認し、マテリアリティの特定を行いました。特定されたマテリアリティについて、主な取り組みと持続可能な開発目標(SDGs)、当社が定めるコード・オブ・コンダクト、当社が所属する三菱ケミカルグループ(MCGグループ)が掲げるKAITEKIのMOS指標との関連性を整理・確認しました。
マテリアリティとモニタリング指標
当社グループでは、モニタリング指標を設定して、マテリアリティに対する取り組み状況を把握し、さらなる改善につなげています。マテリアリティの見直しに伴い、以下のモニタリング指標を設定しました。新たなモニタリング指標の実績については、2021年度実績より開示しています。
取り組み事例はリンク先をご覧ください。
マテリアリティと主な取り組み・2023年度実績[PDF:312KB]
① 新たな価値を持つ医薬品・医療サービスの創製
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
新薬の創製、効能追加、用法用量の変更、剤型追加、アラウンドピルソリューションの提供 | 承認数(中計21-25累計) | 29件 | 24件※4 | 13件 | 国内外 |
患者さんへのソリューション提供数(中計21-25累計) | 5件 | 3件 | 0件 | 国内外 | |
開発パイプライン数 | 17件 | 20件 | 27件 | 国内外 | |
創薬に関する受賞歴(2007年合併以降累計) | 22件 | 21件 | 21件 | 国内外 | |
パートナリング数(中計21-25累計) | 15件 | 11件 | 6件 | 国内外 | |
中計21-25期間内新製品の年度別販売数量 |
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123包装 (視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬) |
国内外 |
② 製品の品質保証と安定供給
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
高品質な医薬品を安定供給するための体制の構築、品質に関する問い合わせに対する適切な対応 | 製品回収件数(クラスⅠ,Ⅱ,Ⅲ) | クラスⅠ 0件 クラスⅡ 2件 クラスⅢ 0件 |
クラスⅠ 0件 クラスⅡ 1件 クラスⅢ 0件 |
クラスⅠ 0件 クラスⅡ 1件 クラスⅢ 0件 |
国内 |
品質の問い合わせに対する顧客満足度 | 91.2% | 92.9% | 92.4% | 国内 |
③ 製品の適正使用の推進
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
製品に関する問い合わせ窓口の設置、安全管理情報の収集、適正使用に関する情報提供活動 | 臨床研究に関する外部発表数(論文・学会等) | 105件 | 84件 | 77件 | 国内外 |
安全管理情報収集件数 | 国内:22,893件 海外:42,393件 |
国内:20,200件 海外:49,600件 |
国内:14,600件 海外:54,100件 |
国内外 |
- 取り組み事例:
- 患者さん・医療関係者の皆さまとともに>情報提供
④ 医療アクセスの向上
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
患者さん支援、難病・希少疾病に対する治療薬の開発、開発途上国に蔓延する感染症PJの推進 | 助成患者団体数(累計、のべ) | 282団体 | 219団体 | 167団体 | 国内外 |
健康支援サイト訪問者数 | 2,046万人 | 2,425万人 | 3,144万人 | 国内外 | |
難病・希少疾病に対するパイプライン数 | 8件 | 8件※4 | 9件 | 国内外 | |
難病・希少疾病に対する承認数(中計21-25期間) | 4件 | 4件※4 | 1件 | 国内外 | |
途上国向け感染症治療薬PJ数とステージ | 3(非臨床) | 3(非臨床) | 2(非臨床) | 国内外 | |
途上国健康貢献支援数 | ワクチン:11,335人分 | ワクチン:9,281人分 | ワクチン:34,633人分 | 国内外 |
⑤ ステークホルダーエンゲージメント
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
顧客や一般社会、従業員などのステークホルダーに対する情報発信と対話 | 従業員意識調査結果(経営理念共感・理解、やりがい・意欲) | 77% (好意的回答率)※1 |
77% (好意的回答率)※1 |
79% (好意的回答率)※1 |
国内外 |
顧客満足度調査結果(7段階評価) | 総合満足度:5.00 共感度:5.09 必要度:5.51 |
総合満足度:5.11 共感度:5.12 必要度:5.62 |
総合満足度:5.05 共感度:5.09 必要度:5.56 |
国内 |
⑥ 従業員の健康と多様性の尊重
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
健康経営の推進、すべての従業員が活躍できる職場環境の整備 | 従業員意識調査結果(Wellness項目) | 85% (好意的回答率)※1 |
84% (好意的回答率)※1 |
85% (好意的回答率)※1 |
国内外 |
従業員意識調査結果(多様性と個の尊重) | 81% (好意的回答率)※1 |
79% (好意的回答率)※1 |
81% (好意的回答率)※1 |
国内外 | |
経営層のダイバーシティ度 | 25.0%※5 | 10.0% | 20.8% | 国内外 |
⑦ 環境に配慮した事業推進
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
企業活動における環境負荷の低減、環境意識を高めるための従業員の教育 | GHG排出量(2019年度比) | 29.9%削減 | 25.8%削減※2 | 19.9%削減※2 | 国内外 |
取水量(2019年度比) | 38.1%削減 | 37.5%削減※2 | 31.4%削減※2 | 国内外 | |
廃棄物最終処分量(2019年度比) | 70.9%削減 | 52.8%削減※2 | 1.1%削減※2 | 国内 |
⑧ 倫理的で公正・誠実な事業活動
主な取り組みと実績 | |||||
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2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 集計範囲 | ||
コンプライアンス意識の醸成、 各種ポリシー等の制定・遵守、ホットラインの設置 |
コンプライアンスに関する従業員の意識(従業員意識調査/5点満点) | 96% (好意的回答率)※1 |
95% (好意的回答率)※1※3 |
4.51点 | 国内外 |
顧客満足度調査結果(企業イメージ)(7段階評価) | コンプライアンス:5.09 信頼:5.23 |
コンプライアンス:5.15 信頼:5.31 |
コンプライアンス:5.14 信頼:5.29 |
国内 |
- 取り組み事例:
- マネジメント>コンプライアンス
※1:好意的回答率とは、回答選択肢上位2つ(そう思う、どちらかというとそう思う)の合計スコア
※2:集計対象会社の事業撤退および拠点再編に伴い、2019年度以降の実績値を変更
※3:調査方法変更に伴い、2022年度実績および集計範囲についても変更
※4:集計に一部漏れおよび集計方法見直しに伴い、2022年度実績を修正
※5:海外連結子会社の再編に伴い、集計対象会社の見直しを実施