環境 気候変動への取り組み

気候変動は人類を含めたあらゆる生物の存続に重大な影響を及ぼす環境問題であり、その抑止に向けた取り組みは国際社会の大きな課題になっています。当社グループは気候変動への対応を重要な経営テーマと位置付け、事業活動から生じる温室効果ガス(以下、GHG)排出量の削減を推進しています。

GHG排出量の削減

スコープ1+2

当社グループは、気候変動の緩和に向けて、エネルギー使用量の削減とフロン類漏えいの防止によるGHG排出量の削減をめざし、環境中期行動計画21-25にて下記目標を設定しています。

GHG排出量(グローバル:スコープ1+2)

GHG排出量を2019年度比で2025年度までに58%削減

2023年度のグローバルにおけるGHG排出量は55.0千t-CO2eqで、2019年度比で29%削減しています。
内訳は、燃料など自社が直接排出するスコープ1のGHG排出量が18.7千t-CO2eqで2019年度比33%削減、電気など自社が間接排出するスコープ2のGHG排出量が36.3千t-CO2eqで2019年度比27%削減となっています。
目標である58%削減に向け、引き続き各拠点での日頃の省エネ活動を推進しています。

GHG排出量(スコープ1+2)

スコープ3

原材料仕入れや販売後に排出される(サプライチェーンでの)スコープ3のGHG排出量は、カテゴリ1が最も大きく、スコープ3の95.6%を占めています。
当社グループでは、2022年度より医療用医薬品の国内物流における共同輸送を医薬同業とともに進めており、運行台数の削減により輸送に関するGHG排出量の削減を推進しています。

スコープ3 GHG排出量

カテゴリ GHG排出量
(千t-CO2eq)
算定方法
1 購入した製品・サービス 682.2 国内における原材料・製商品の購入金額に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
2 資本財 17.1 国内だけでなく海外も含めた連結を対象とし、固定資産の取得金額に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
3 スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 9.0 国内および海外事業所のエネルギー使用量に、環境省DBの排出原単位、LCIデータベース(IDEAv2.3)の排出原単位を乗じて算出
4 輸送、配送(上流) 2.3 国内における「工場→物流センター」「物流センター→卸」「販促品倉庫→支店・営業所等」の輸送トンキロおよび環境省・経済産業省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」の「トンキロ法」から算出
また、委託先物流センターおよび販促品倉庫での保管管理に係る電力使用量に、「電気事業者別排出係数(環境省・経済産業省R5.12.22 公表)」で示された実排出係数を乗じて算出
5 事業から出る廃棄物 1.3 国内グループ事業所(生産・研究拠点、本社・東京本社、物流センター、営業所等)からの廃棄物の種類別の排出量に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
6 出張 0.7 国内・海外の従業員数に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
7 雇用者の通勤 1.1 国内・海外の交通区分別の交通費支給額に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
12 販売した製品の廃棄 0.2 国内における容器包装リサイクル法に基づく再商品化委託義務量に、環境省DBの排出原単位を乗じて算出
合計 713.9

環境省DB:環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.4)」

エネルギー使用量の削減

国内グループでは省エネ推進連絡会を定期的に開催し、エネルギー使用量の推移や省エネ対策について随時検討をしています。また、エネルギー管理体制を構築することで、グローバルで省エネルギーを推進しています。
エネルギー使用量(熱量換算)は、各拠点におけるさまざまな省エネ活動や拠点統廃合などにより減少を継続しています。

エネルギー使用量(グローバル)

GHG排出削減に向けた取り組み

カーボンニュートラルの推進

2023年度に策定したカーボンニュートラルのアクションプランでは、再生可能エネルギー導入、営業車両の次世代自動車への切替、ボイラーなど大型設備の燃料転換などについてロードマップを策定しました。
再生可能エネルギー導入では、国内工場は2025年までに、それ以外の国内のすべての事業所では2030年までに再生可能エネルギー由来の電力を導入することで再エネ化を推進していきます。

省エネ活動

当社グループは省エネルギー活動を積極的に推進しています。
国内外の拠点において、LED照明灯への置換やセンサーによる点滅制御、省エネ設備更新ならびに製造エリアの長期休暇時の運転停止を継続的に推進しています。また、省エネキャンペーンを全拠点に展開して社員への啓発を行うとともに、未使用時の消灯や機器類の電源OFFを推奨するなど、日頃から省エネルギー活動に取り組んでいます。

2023年度の環境配慮活動トピック

2023年度NEDO省エネルギー技術開発賞理事長賞を受賞
当社は異業種間で連携して、バッチ連続生産方式による医薬品製造設備の実用化を検証し、従来の主要な方式に比べ約8割のエネルギー削減が可能な連続生産システムを開発しました。本プロジェクト「再構成可能なモジュール型単位操作の相互接続に基づいた医薬品製造用iFactoryTMの開発」は省エネルギーに寄与する優れた成果をあげた事業者を表彰する2023年度NEDO省エネルギー技術開発賞で最優良テーマに選ばれ理事長賞を受賞しました。
詳細は以下をご参照ください。

ENEX2024で「NEDO省エネルギー技術開発賞」として表彰
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101722.html

環境配慮製品への対応
当社は環境に配慮した包装資材として初めてバイオマスプラスチック製PTP(Press Through Pack)シートを採用しました。本PTPシートは同じ三菱ケミカルグループ(MCGグループ)の三菱ケミカル株式会社の製品であり、石油を原料とするプラスチックを使用したPTPシートと比較し、二酸化炭素排出量を30~70%削減することができます。
詳細は以下をご参照ください。

SGLT2 阻害剤「カナグル®OD錠」発売のお知らせ~環境に配慮したバイオマスプラスチック製PTPシートを採用~
https://www.mt-pharma.co.jp/news/2024/MTPC240522.html

安心・安全・便利に使えるくすりづくり

ハイブリッド車の導入

当社グループでは、社有車から排出されるGHGの削減をめざして、順次ガソリン車からハイブリッド車への切り替えを進めるとともにエコドライブを推進しています(ハイブリッド車への切替は2027年度に完了予定)。

2019年度
(基準年)
2021年度 2022年度 2023年度
社有車に占めるハイブリッド車の比率 67% 64% 67% 70%
社有車燃料由来の
CO2排出量
(国内)
CO2排出量 4,165t-CO2 3,576t-CO2 3,520t-CO2 3,596t-CO2
CO2排出量削減率
(2019年度比)
14% 15% 14%

再生可能エネルギーの利用

GHGを排出しない再生可能エネルギーの利用は、気候変動の緩和に資する有効な施策の一つです。
当社グループでは、ミツビシ タナベ ファーマ コリア(郷南工場)に太陽光発電設備を設置し、湘南事業所や欧州のオフィスの一部では、カーボンフリー電力が導入されています。他の当社グループ主要拠点で調達する電力についても、カーボンニュートラルのアクションプランに基づき再生可能エネルギー由来電力への切り替えを検討しています。

フロン類の排出抑制

当社グループでは、オゾン層破壊と温室効果作用を示すフロン類の漏えい防止に努めています。2020年施行の改正フロン排出抑制法に従い、国内拠点に設置されているフロン類充填機器は台帳を用いて適正に管理しています。また、設置基準を遵守し、定期的な点検を行うとともに、廃棄時にはフロン類を確実に回収破壊し、その記録を3年間保管します。
なお、フロン充填機器を新設する場合は、温暖化係数と省エネ性能を考慮して機種を選定しています。

2023年度の国内生産・研究拠点におけるフロン類の漏えい量は43kg(74t-CO2eq)でした。グループ国内各社のCO2換算フロン類漏えい量は、漏えい量報告制度が制定された2015年度以降いずれの年度も行政への報告基準値未満でした。

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