社会 > 地域・社会とともに 医療・福祉への貢献
当社グループは、生命関連企業として、患者さんやご家族をはじめ、人々の生き生きとした暮らしの実現をめざし、事業活動に加え、医療・福祉に関するさまざまな取り組みを実施しています。
田辺三菱製薬医学教育助成
当社は、医学関係学会・医会が独立して企画・運営する医学教育活動を助成することで、 医療関係者・患者さんのリテラシーの向上を通じ、本邦における医療の質の向上に寄与することを目的に、2021年に「田辺三菱製薬医学教育助成」を設立しました。当初から領域も追加し、2023年度は糖尿病・腎領域、中枢神経領域における教育活動に対して、合計11事業2,810万円の助成を行いました。
助成事業・対象団体に関しての詳細は「田辺三菱製薬医学教育助成HP(https://www.mt-pharma.co.jp/sustainability/educational_subsidy.html)」をご覧ください。
難病の患者さんとその家族への支援
田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム
当社は難病に対する新薬の開発に取り組むとともに、病気に苦しむ患者さんやご家族への支援を行うことも大切な使命であると考え、2012年に「田辺三菱製薬 手のひらパートナープログラム」を創設しました。難病患者団体、およびその支援団体の療養、就学、就労等、生活の質(QOL)向上のための活動を助成しています。2023年度は17団体を採択しました。
また、毎年10月に前年度助成した団体から事業報告をいただき、意見交換など交流の機会を設けています。ここ数年はコロナ禍でオンライン開催となっていましたが、2023年度は10月24日(東京)と31日(大阪)の2日間に分けて15団体の患者団体にご参加いただき、4年ぶりに対面で事業報告と意見交換会を開催しました。
助成先など詳細については、「難病患者団体支援活動」ページをご覧ください。
炎症性腸疾患※(IBD)患者さん向け就労支援セミナー
~IBDと共に働き続けるコツ~
IBD患者さんは、日常的に腹痛・下痢などの消化器症状を抱えていることに加え、症状が良くなったり悪くなったり、場合によっては手術等で長期入院を余儀なくされるなど、将来にわたって病気と付き合っていかなければならないことから、仕事と病気の両立に悩む患者さんが多いといわれています。
当社は、2021年度から株式会社グッテと共催で、IBD患者さん向け就労支援セミナー(オンライン)を実施しています。
当セミナーでは、キャリアコンサルタントによる講演に加え、先輩患者さんが登壇するパネルディスカッションや患者さん同士の交流会を通じて、IBDと共に働き続ける“コツ”を学びます。
2023年度は、テーマを変えながら2回のセミナーを実施しました。パネルディスカッションでは、登壇患者さんの就職・転職のリアルなお話とともに、今後に向けての前向きな姿勢が大変印象的でした。
本セミナーがIBD患者さんの働くことへの不安や悩みを解決する一助となることを願っています。
2023年度実績
2023年09月 「IBDと共に働き続けるコツ ~偶然を味方に!計画的偶発性理論でキャリア開発~」
2024年03月 「IBDと共に働き続けるコツ ~「転機」を紐解き、就職・転職に踏み出す一歩を見つけだす~」
IBD患者さん向けのサイトでも情報を発信していますので、下記からご覧ください。
健康支援サイト:
チャリティー、ウォーキングイベントに協賛・参加(米国)
ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ(MTPA)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病の啓発/認知度向上を目的にさまざまなチャリティー、ウォーキングイベントに協賛・参加しています。
2023年度は78のイベントに協賛し、約150人の従業員とその家族・友人が参加しました。これらのイベントは、ALSやパーキンソン病の疾患啓発/認知度向上に加え、ALSとの闘いにおいて疾患コミュニティを結集させること、また、ALS患者さんやそのご家族、介護者の方々への疾患教育の機会となっています。これらのプログラムへの協賛を通じて病院への送迎、レスパイトケア(ALS患者さん対象)※、全米や各州レベルでの支援活動など、地域のプログラムやサービスをサポートしています。
※レスパイトは「小休止」「息抜き」「休息」を意味し、介護者が一時的に介護から解放され、リフレッシュや休息をとる「介護者のため」のケアを指す言葉。
教育活動支援(米国)
MTPAは、ALSやパーキンソン病、希少疾患である赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)の認知度向上やALS、パーキンソン病、EPP、XLP患者さん、そのご家族への教育ツールを提供すべく62の教育活動、継続的な取り組みをサポートしています。患者支援コミュニティと同じ使命感のもと協業しながら、これらの支援を通じて、患者さんと介護者の皆さんに向けた疾患教育や、患者さんとそのご家族が少しでも負担なく過ごせる環境づくりに取り組んでいます。2023年度は、教育シンポジウム、メンタルヘルスサポート、介護者のプログラム、患者団体会議、若手専門家グループへの疾患教育サポートを実施しました。
“世界ルー・ゲーリッグ病(ALS)患者の日” ウォーキングイベントへの協賛・参加(韓国)
ミツビシ タナベ ファーマ コリア(MTPK)は、ルー・ゲーリッグ病の疾患啓発と患者さんへの支援を目的に、 患者さんと家族、ボランティアの皆さんと一緒に歩くウォーキングイベント「ルーツ・チャレンジ」(2023年6月21日~7月20日)に協賛・参加しました。
「ルーツ・チャレンジ」とは、参加者の合計歩数に応じて協賛企業より寄付されるチャリティーイベントです。1ヵ月間に約6万人が参加し、MTPKからは約50人の従業員が参加しました。参加を通じて、ルー・ゲーリッグ病患者さんの闘病の大変さを知ると同時に、患者さんとそのご家族への認知や理解を広めるきっかけになることを願っています。
- ※アメリカのプロ野球選手Lou Gehrigが罹患したことからルー・ゲーリッグ病と呼ばれている。筋萎縮性側索硬化症(ALS)ともいう。
病気と闘う子どもたちを応援する活動
当社は、NPOなどへの支援を通じて、病気と闘う子どもたちとそのご家族を応援する活動を行っています。
「こどもホスピス」の支援
「こどもホスピス」とは、生命を脅かす病気のお子さんやそのご家族のやりたいこと、学び、遊びの機会を提供し、友として寄り添う施設です。しかし、病院に併設しない形での「こどもホスピス」は全国で大阪市と横浜市の2ヵ所しかありません。当社は、チャリティーイベントへの参加やボランティアによる支援を通じて、「TSURUMIこどもホスピス」や「横浜こどもホスピス」を応援しています。
こどもホスピスと小児緩和ケアの普及啓発イベントへの支援
当社は、2024年2月23日開催の「第5回全国こどもホスピスサミット」に協賛し、ボランティアスタッフとして社員12人が会場設営や受付、タイムキーパー等でイベント運営に協力しました。当日のサミットでは、国内のホスピス関連団体の活動報告やこどもホスピスの先進国であるイギリスからもメッセージが届けられました。当社は2018年からこのようなイベントへの支援を行っていますが、会場には複数のメディアが入るようになり、こどもホスピスへの関心が高まっていることが感じられました。
大阪マラソンを通じた「TSURUMIこどもホスピス」への支援
大阪市鶴見区にある「TURUMIこどもホスピス」(TCH)は、世界で最初の子どもホスピスである英国の「ヘレンハウス」の理念に共感して作られた日本初のコミュニティ型子ども向けホスピスです。2024年2月25日に開催された大阪マラソンに、TCHのチャリティーランナーとして、従業員5人が参加しました。当日は、有志応援団の声援を受けて、全員が完走しました。
- 【従業員ランナーの声】
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- 「TSURUMIこどもホスピス」のスタッフと応援団の皆さんとともに走っているという実感があり楽しかったです。
- 雨にも寒さにも負けず走り続けられたのは、沿道からの温かい声援、大好きな子ども達の笑顔を守りたいという強い思いがあったからです。
東京ヤマソン※を通じた「横浜こどもホスピス」への支援
2023年10月21日、一般社団法人インターナショナルボランティアグループが主催する「東京ヤマソン」 が開催されました。当イベントは参加費全額が認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトに寄付されます。
当社はサポーター企業として、従業員のイベント参加に加え、当社製品のアスパラドリンクを1,400本提供し、従業員ボランティア12人でランナーの皆さんに配布しました。
- ※東京ヤマソンは、12時間以内にJR山手線の全駅もしくは半周を2~4人1組のチームで歩いて制覇するファンドレイジングイベントです。
- 「横浜こどもホスピス」で夏まつりを開催
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2023年7月30日に、認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトの施設「うみとそらのおうち」で、当社主催の「うみそら★たなみん夏まつり」を開催しました。
今回は、「横浜こどもホスピス」からのニーズにお応えし、施設を利用されているお子さんとご家族(13家族46人)をお招きした夏まつりを企画。当日は、笛や太鼓のお囃子が流れる会場で、輪投げ・紐引きくじ・数字合わせくじ・ヨーヨー・金魚すくい・バスボム作り・フォトスポットでの写真撮影・冷たいラムネ・動物パン選びなど、盛沢山のブースをご家族で大いにお楽しみいただき、沢山の笑顔を見ることができました。【ご家族の声】
- 日頃きょうだいの子をかまってやれないので、長い夏休みに心置きなく過ごせるこのお祭りを家族で楽しみにしてきました。
- 感染が怖くて、夏祭りに連れて行ってあげることが難しかったので、本当に嬉しかったです。
- 初めての経験がいっぱいでした。
献血活動
日本赤十字社によると、使用する血液は人工的につくることも長期保存することもできないため、必要量を確保するには、1日あたり約1万4,000人の方に献血のご協力をいただく必要があるといわれています。病気やケガなどで輸血を必要としている患者さんの尊い生命を救うため、血液は大切です。
当社グループでは、本社をはじめ各事業所において、日本赤十字社の献血活動に積極的に協力しています。また、海外では、ミツビシ タナベ ファーマ インドネシアのバンドン工場で、インドネシア赤十字社と連携して献血に参加しています。
2023年度は、国内外合わせてのべ606人の従業員が献血に協力しました。
障がい者福祉施設の焼きたてパン・焼き菓子販売
本社では、毎月第三水曜日に、障がい者福祉施設でつくられた「焼きたてパン・焼き菓子」の直接販売を行っています。丁寧に手作りされたパン・焼き菓子は従業員に大好評で、毎回完売です。福祉施設からも「お客さんの反応を直接感じる機会」として喜ばれています。これからも、購買支援を継続していきます。
開発途上国への貢献
TABLE FOR TWO(TFT)
TFTは、開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む日本発の社会貢献活動です。社員食堂で肥満を防ぐ低カロリーメニューを喫食するごとに、代金の内20円がTABLE FOR TWO Internationalを通じてアフリカやアジアなどの開発途上国の学校給食費に充てられます。20円は開発途上国の給食1食分の金額です。
当社グループでは、2014年より、本社の社員食堂に「TABLE FOR TWO(TFT)プログラム」を導入しています。また、各事業所には、ドリンクを購入すると売上の一部が開発途上国の子どもたちの給食に生まれ変わる「TFT自動販売機」を設置しています。気軽に参加でき、開発途上国の子どもたちと私たちが同時に健康になることができる取り組みとして、従業員に好評です。2023年度は10万5,330円を寄付し、活動開始以来、寄付総額は約150万円になりました。
寄付により提供される学校給食は、子どもたちの飢餓を解決するだけではなく、就学率や学業成績の向上、子どもたちの基礎体力向上と病気予防につながる効果も期待されており、貧困解決のために重要な役割を担っています。今後も引き続き、開発途上国の子どもたちの飢餓と貧困解決に向けて、支援を続けていきます。
※TFT (https://jp.tablefor2.org/)
TFTメニューによる寄付 | TFT自動販売機による寄付 | 合計 |
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5万2,180円 (2,609食) |
5万3,150円 (2,658食) |
10万5,330円 (5,267食) |
- 「おにぎりアクション2023」に参加しました
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「おにぎりアクション」とは、 毎年10月16日の世界食料デーに合わせて「日本の食で世界を変える」をコンセプトに、日本の代表的な食べ物「おにぎり」を通じて、アフリカやアジアの子どもたちに温かい給食を届けるキャンペーンです。SNSや専用サイトへのおにぎりの写真1投稿につきアフリカ・アジアの子どもたちに温かい給食5食が届けられます。
三菱ケミカルグループ(MCGグループ)の従業員に広く呼びかけるなか、当社グループでは、2023年10月11日に本社、横浜事業所、吉富事業所、小野田事業所のコラボ企画として「おにぎりアクションイベント」を開催しました。当日は、食堂にご協力いただき、いつもとちょっと違う具材の「おにぎり」や「おにぎりアクションイベント特別ランチ」の提供、写真撮影用の可愛いポップを準備するなど、各事業所それぞれ工夫を凝らして、おにぎりの写真撮影、SNSや専用サイトへの写真投稿に多数の従業員が参加しました。
本イベントを通じて、世界の食料・健康問題を身近に感じていただく機会になりました。
おにぎりアクション (https://onigiri-action.com/)
ワクチン支援「せかワクぶっく」への参加
当社グループは、2014年より開発途上国の子どもたちへのワクチン支援活動「せかワクぶっく」に参加しています。「せかワクぶっく」とは、不要となった本・CD・DVDなどを寄付することで、その売却代金が「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)に寄付され、6大感染症などのワクチンにかえて開発途上国の子どもたちに届けられる国際貢献活動です。ポリオワクチンは1人分わずか20円。本棚に眠っている本1冊で2人の子どもを守ることができます。
2023年度は、従業員による寄付品の査定額と会社からのマッチングギフト(同額寄付)を合わせて、総額22万4,492円、子どものポリオワクチン11,225人分相当となりました。活動開始以来、寄付総額は約275万円、およそ13万7,500人分相当のポリオワクチンになりました。
今後も、医療アクセス支援の一つとして、開発途上国の子どもたちの健康な生活と笑顔あふれる未来をめざし、この支援活動を続けていきます。
寄付金額 | ポリオワクチン概算 | |
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従業員 | 11万2,246円 | 5,612人分 |
マッチング | 11万2,246円 | 5,612人分 |
計 | 22万4,492円 | 11,225人分 |