病気のお話 睡眠障害
監修
日本大学医学部精神医学講座 主任教授 内山真先生
睡眠障害の基礎知識
日本においては約5人に1人が、睡眠の問題で悩んでいるとされています。睡眠障害には、「不眠症」や「過眠症」をはじめ、さまざまなタイプがあります。
不眠症とは
夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状が続き、よく眠れないため日中の眠気、注意力の散漫、疲れや種々の体調不良が起こる状態を指します。日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいるとされています。また、男性よりも女性に多いといわれています。
不眠症のタイプ
- 入眠困難
- 床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。
- 中途覚醒
- いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。
- 早朝覚醒
- 希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。
- 熟眠障害
- 眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。
なお、これらの症状は同時に複数現れることがあります。
不眠症を引き起こす主な要因
- 環境要因
- 時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など
- 身体要因
- 年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど
- 心の要因
- 悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど
- 生活習慣要因
- 寝床の中ですごす時間が長すぎる、アルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など
過眠症とは
夜眠っているにもかかわらず日中に強い眠気が生じ、起きているのが困難になる状態を指します。
過眠を示す主な疾患
「ナルコレプシー」
- 日中の耐え難い眠気と居眠りが繰り返し生じる。
- 居眠りは長くても30分以内と短く、目覚めたあとは一時的にすっきりする。
- 笑ったり怒ったりすると、突然体の力が入らなくなり、ひどいときにはへたり込んでしまう。
- 寝入りばなに金縛りにあったり、現実と区別がつかないような夢を体験したりする。
「特発性過眠症」
- 昼間の眠気と居眠りを主症状とする。
- 居眠りは、1時間以上続き、目覚め後はすっきりと覚醒できずに眠気が持続し、リフレッシュ感が乏しい場合が多い。
- 夜間睡眠が10時間以上と著しく長い場合がある。
「反復性過眠症」
- 強い眠気を呈する時期(傾眠期)が3日から3週間持続し、自然に回復してまったく症状がなくなるが、その後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し出現する。
過眠症の原因
以下の2つが想定されています。
- 脳内の覚醒維持機能の低下
- 何らかの原因で夜間の睡眠障害があるため
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