病気のお話 クローン病
監修
医療法人錦秀会 インフュージョンクリニック 院長 伊藤裕章先生
クローン病の基礎知識
クローン病は主に、小腸や大腸などの腸管壁に炎症を伴うびらんや潰瘍などができる、慢性の炎症性疾患です。また、寛解(症状が落ち着いている状態)と、再発・再燃(症状が悪化した状態)を繰り返し、長い経過のなかで徐々に病気が進行し、消化管だけでなく全身にさまざまな合併症が発生することもあります。
クローン病の治療には腸管の炎症を抑える薬剤を使用しますが、それでもコントロールできないひどい病変や内科的治療で改善しない狭窄(腸管が狭くなり通過障害が起こる状態)などの合併症などに対して手術が行なわれる場合もあります。
残念ながらクローン病を完治させる治療法はありませんが、さまざまな薬剤の開発により治療法は進歩し続けており、現在では制限のない日常生活を送ることが可能になりつつあります。
炎症性腸疾患の分類
クローン病は、炎症性の腸疾患のなかの1つの病気です。炎症性腸疾患は、細菌や薬剤などはっきりした原因で起こる特異的炎症性腸疾患と、原因不明の非特異的炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)に分けられます。しかし、一般に炎症性腸疾患(略語でIBD*と呼ぶこともあります)といえばクローン病や潰瘍性大腸炎をさします。*「IBD:Inflammatory bowel disease」
クローン病の病型
病変の発生する場所によって、3つの病型に分けられています。病変が小腸に発生する小腸型、小腸と大腸に発生する小腸大腸型、そして大腸に発生する大腸型です。
田辺三菱製薬株式会社が運営するクローン病専門サイト「知っとくカフェ クローン病」では、クローン病の症状や診断、治療法などの情報を掲載しています。
クローン病について
クローン病はどの様な症状が発現し、どの様な経過をたどるのかなど、病態についての情報に加え、さまざまな治療法についても詳しく解説しています。
抗TNFα抗体療法の情報
抗TNFα抗体療法を現在受けている患者さんを対象に、この治療法に関するより詳しい情報を提供しています。