社員紹介
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創薬研究の道のりは長く険しい。
時には挫けそうにもなるが、
そんな時でも必ず支えてくれる仲間がいる。
創薬研究職(合成)
2017年入社 理学研究科化学専攻修了
中枢系の希少疾患をターゲットに、核酸医薬の創出に挑む。
学生時代は、有機合成化学と構造生物学の境界領域の研究をしていました。就職活動では、これらの知識を活かした研究に携わりたいと思い、化学会社なども訪問しました。その中から製薬会社を志望したのは、世界中の患者さんに貢献するような研究に取り組んでみたいと考えたから。創薬は困難で長い歳月を要する研究ですが、その分だけ研究者として挑みがいがあると思ったのです。
田辺三菱製薬への入社の決め手となったのは、面接時などで会った先輩研究者たちの印象ですね。私の大学での研究内容をとても熱心に興味深く聞いてくれて、この会社なら自由な発想を活かして研究に取り組むことができると感じました。
入社後はずっと、中枢疾患や希少疾患に関わる部門で、化合物の創製に携わっています。最初は低分子プロジェクトを担当していましたが、2年目から自ら希望し新規モダリティのプロジェクトに移りました。特に核酸医薬は、これまでのモダリティでは狙いにくいRNAなどの分子をターゲットにできるため、まだ治療法が確立されていないような希少疾患の治療薬として期待されています。私は自身の専門知識がより活かせる分野の研究を進めることによって、医薬品の創製に貢献したいと考えています。
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コツコツと計画してきたテーマが、いよいよプロジェクト化された。
ずっと準備してきたテーマが昨年、いよいよプロジェクト化されました。詳しい内容はお話しできないのですが、中枢神経系の希少疾患をターゲットとしたものです。私は核酸医薬をこの疾患に適用するプロジェクトの創出に向けて、基礎的な研究を重ねてきました。
プロジェクトには、薬理や薬物動態など多様な部門の研究者が参画しており、私は化学系のチームを率いるとともに、プロジェクト全体のリーダーも務めています。また、今回のプロジェクトでは、アカデミアと共同で研究を進めています。社内外の研究者とともに、患者さんの期待にこたえられる新薬を創出すべく日々研究に取り組んでいます。
核酸医薬は、末梢組織に加えて近年脳をはじめとする中枢神経系への適応も進められていますが、まだ乗り越えるべき壁は存在しています。現在研究を進めている核酸医薬とデリバリー技術は、ターゲットとしている疾患はもちろん、多様な中枢系希少疾患の治療に貢献できる可能性も秘めており、最先端の研究に挑んでいることを実感しています。
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患者さんが真に求めることを、考え続けられる研究者でありたい。
0から1を生み出す創薬研究は長く困難な道のりで、時には挫けてしまいそうになることもあります。そんなとき、必ず手を差し伸べて背中を押してくれる仲間がいることが田辺三菱製薬の魅力です。新薬探索のためのヒントをもらったり、新技術の習得をサポートしてもらったり、他部門の研究者たちも親身に相談にのってくれます。また、現在のプロジェクトのように、アカデミアの研究者たちの熱意を感じながら研究に取り組めることも楽しさの一つです。目的意識を持ってチャレンジしていこうという研究者にとって、刺激的で恵まれた環境であると感じています。
目標は、現在進めている研究を成功させ新薬を上市し、世界中の患者さんたちに届けること。乗り越えなければならない壁も多くありますが、有効な治療法が確立されていない病気で苦しむ患者さんたちの希望となれるような化合物を創出していきたい。そのためには、専門領域を深掘りするばかりでなく、幅広い視野で最新のサイエンスを取り込んでいくことも重要だと思っています。また、私はPatient
and Public
Involvementといった活動にも関心を持っています。患者さんや家族、さらには社会の問題を解決するためにはどのような研究に取り組むべきなのか? 常にそのことを考え続けられる研究者でありたいと思っています。
- Career step
- 2017年中枢疾患領域の化学グループに配属 2023年核酸医薬品研究プロジェクトのリーダーを担う
※本記事の所属・内容は取材当時のものです。