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ニュースリリース パーキンソン病治療薬候補品・ND0612の承認申請を欧州医薬品庁(EMA)が受理
2025年2月21日
三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)は、2月20日(現地時間)に、運動症状の日内変動を有するパーキンソン病治療薬候補品として開発中のND0612について、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)から販売承認申請を受理した旨の通知を受領しました。ND0612は田辺三菱製薬の完全子会社であるニューロダーム社(本社:イスラエル レホボト市、CEO:一色健吾)が開発し、承認申請はミツビシ タナベ ファーマ ゲーエムベーハー(Mitsubishi Tanabe Pharma GmbH、本社:ドイツ デュッセルドルフ)が、欧州連合(EU)の全加盟国をはじめ、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用されるEMAによる中央審査方式で実施しました。
今回の承認申請は、レボドパとカルビドパ(LD/CD)の経口即放剤と比較したグローバル第3相臨床試験(BouNDless試験)で得られた有効性、安全性および忍容性の評価データと、後期第2相臨床試験(BeyoND試験、継続中)で得られた1年を超える長期安全性と忍容性の評価データを中心に実施しました。
パーキンソン病は、世界に1千万人以上の患者さんがいると言われている*、進行性の慢性神経疾患で、発症原因と考えられているドパミン不足を、レボドパとレボドパ分解阻害剤(通常、カルビドパ)を組み合わせた経口剤で補う治療法が一般的です。しかし、経口剤ではレボドパの血中濃度が変動するため、薬が効きすぎて生じる不随意運動(ジスキネジア)や薬の効き目が切れるウェアリング・オフなど、運動症状の日内変動の一因となります。症状が進行すると、運動症状の日内変動が増加し、経口剤では症状のコントロールが難しくなるため、外科手術を要する治療法が主な選択肢になっているという課題があります。ND0612は、初めてのLD/CD液剤化に成功した持続皮下注製剤で、注入ポンプを用いて24時間持続注入することでレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することで、日常生活に支障のあるジスキネジアを伴わないON時間の延長と、OFF時間の短縮が期待されます。
ND0612は今回の欧州申請のほか、米国でも再申請に向けた手続きを進めています。田辺三菱製薬グループは、研究開発の重点領域の一つに定める中枢神経領域において、神経変性疾患に向きあうすべての人に、新しい治療の選択肢を届けるための取り組みを進めていきます。
- * Who Has Parkinson's? Parkinson's Foundation.(2025年2月18日閲覧)https://www.parkinson.org/understanding-parkinsons/statistics#:~:text=More%20than%2010%20million%20people
ND0612について
ND0612は、レボドパとカルビドパ(LD/CD)を液剤化し、注入ポンプを用いて運動症状の日内変動を有するパーキンソン病患者さんに24時間持続皮下投与する治療薬です。経口のLD/CD治療では、レボドパの血中濃度の変動により安定した臨床効果を得るのが難しいというアンメット・メディカル・ニーズがあります。ND0612は、LD/CDを持続皮下投与することで、従来の経口治療と比べてレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することで、パーキンソン病患者さんの運動症状の日内変動を減少させることが期待されています。
ニューロダーム(NeuroDerm Ltd.)について
中枢神経領域の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療機器(デバイス)とを組み合わせる優れた技術開発力を有するイスラエルの医薬品企業で、革新的な技術を通じて治療の負荷を軽減し、患者さんとその家族の生活の質を改善することをめざしています。田辺三菱製薬は、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域でパイプラインを拡充するため、2017年10月に完全子会社化しました。www.neuroderm.com
ミツビシ タナベ ファーマ ゲーエムベーハー(Mitsubishi Tanabe Pharma GmbH)について
田辺三菱製薬の完全子会社であるミツビシ タナベ ファーマ ゲーエムベーハーは、ミツビシ タナベ ファーマ ヨーロッパ(英国・ロンドン)の販売子会社として、2003年にドイツのデュッセルドルフに設立後、欧州各国で販売承認取得者として医薬品を販売してきました。スイスのレンツブルクにおける販売拠点では、ALS治療薬であるRADICAVA® Oral Suspension(「ラジカヴァ経口懸濁剤」、一般名:エダラボン)のマーケティングに注力しています。https://www.mt-pharma-de.com/
お問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 ファーマ戦略本部 PR部 TEL:06-6205-5119