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ニュースリリース 台湾における「ホスタマチニブ」導入について~脾臓チロシンキナーゼ阻害剤をキッセイ薬品工業から~
2025年1月7日
三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)は、連結子会社である台田薬品股份有限公司(本社:中華民国台北市、以下「台田薬品」)が、キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)と、脾臓チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ」(一般名、以下「本剤」)の台湾における開発および販売に関するサブライセンス契約(以下「本契約」)を、本日締結したことをお知らせします。
本剤は、経口投与可能な低分子化合物であり、脾臓チロシンキナーゼ阻害作用により、マクロファージによる血小板の破壊を抑制することで、血小板の減少を抑制し、慢性特発性血小板減少性紫斑病(以下「慢性ITP」)の出血症状を改善します。
本契約の締結により、台田薬品は本剤の台湾における開発および商業化を実施します。また、台田薬品はキッセイ薬品に契約一時金および事業化の進捗に応じたマイルストンを支払い、キッセイ薬品から薬剤の供給を受けます。
田辺三菱製薬は、これまで60年以上にわたり台湾で培った医薬品開発と営業の基盤をもとに、循環器や代謝のほか、自己免疫疾患領域の強化などにも注力し、自社製品の展開や他社とのパートナリングを通して、幅広い治療薬の提供に一層貢献していきます。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)について
ITPは、血小板減少の原因となる他の明らかな病気や薬の服用がないにもかかわらず、血小板数が10万/μL未満に減少し、出血しやすくなる病気です。病状の経過により発症から6ヵ月以内に血小板数が正常に回復する「急性型」と、6ヵ月以上血小板減少が持続する「慢性型」に分類されます。ホスタマチニブは慢性型ITPを対象としています。 臨床症状としては、主として皮下出血(点状出血または紫斑)を認め、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血なども起こることがあります。ITPは日本では指定難病であり、2023年度国内のITP患者数は約1.7万人※で、年間の新患発生数は10万人当たり2.16人と報告されています※※。ITPの原因はいまだ明確になっていませんが、血小板に対する自己抗体が産生され、この自己抗体により脾臓でマクロファージによる血小板の破壊が亢進するために、血小板数が減少すると考えられています。ITPの治療として、副腎皮質ステロイドやTPO(トロンボポエチン)受容体作動薬の投与や、手術による脾臓の摘出などが行われます。
- ※ 2023年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より推定
- ※※ Int J Hematol、2011、93 :329-35
ホスタマチニブについて
米国のライジェルファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.)が創製した経口投与可能な低分子化合物で、チロシンキナーゼ阻害作用により、マクロファージの血小板破壊を抑制することで血小板の減少を抑制し、慢性特発性血小板減少性紫斑病の出血症状を改善します。米国、日本および韓国で希少疾病用医薬品の指定(オーファン)を受けており、米国では2018年に承認されています。また、欧州、カナダおよび中東でも承認されています。
キッセイ薬品工業株式会社について
キッセイ薬品工業株式会社は、「純良医薬品を通じて社会に貢献する」、「会社構成員を通じて社会に奉仕する」の経営理念のもと、創薬研究開発型企業として、世界の患者さんに独創的な新薬を提供することに注力しています。泌尿器、腎・透析、糖尿病、消化器、そして希少疾病・難病領域を中心に活動しています。キッセイ薬品工業株式会社の詳細情報は、https://www.kissei.co.jp/をご覧ください。
台田薬品股份有限公司について
台田薬品股份有限公司は、1987年に台北市に設立され、高血圧症及び狭心症治療薬「ヘルベッサーⓇ」、「コンコールⓇ(日本名:メインテートⓇ)」、高コレステロール血症治療薬「リバロⓇ」、2型糖尿病治療薬「カナグルⓇ」などを販売し、生活習慣病領域を中心に事業展開しています。さらに、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎等の治療薬「シンポニーⓇ」、「レミケードⓇ」の発売を機に、台湾の自己免疫疾患患者さんの治療に貢献しています。
お問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 ファーマ戦略本部 PR部
TEL:06-6205-5119