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ニュースリリース パーキンソン病治療薬候補品・ND0612の米国における開発計画の変更について
2024年11月1日
三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)は、完全子会社であるニューロダーム社(本社:イスラエル レホボト市、取締役社長:一色健吾)が開発したND0612(運動症状の日内変動を有するパーキンソン病治療薬候補品)の米国における開発計画を変更し、2025年中頃の再申請をめざします。
ND0612の米国における開発については、2023年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、以下「FDA」)に新薬承認申請(new drug application、NDA)を実施し、FDAから審査完了報告通知*1(complete response letter、以下「CRL」)を受領したことを2024年6月に発表していました。このたびFDAと実施したタイプAミーティング*2において、CRLで指摘されたND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供や、製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報について協議し、再申請に向けた対応が確認できたことを受け、開発計画を変更しました。なお、ND0612の有効性に関する懸念は示されていません。
田辺三菱製薬グループは、引き続きFDAと緊密に連携しながら再申請に向けた手続きを進め、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域において、神経変性疾患に向きあうすべての人に、新しい治療の選択肢を届けるため取り組んでいきます。
- *1 審査完了報告通知は、承認申請の審査が終了した時点で、現在の申請内容では承認に至らない場合にFDAより発行されます。
- *2 タイプAミーティングは、中断している製品開発プログラムを進めるため、または重要な安全性問題に対処するために、必要な協議を行うための会議です。
ND0612について
ND0612は、レボドパとカルビドパ(LD/CD)を液剤化し、注入ポンプを用いて患者さんに24時間持続皮下投与する治療薬です。経口のLD/CD治療では、レボドパの血中濃度の変動により安定した臨床効果を得るのが難しいというアンメット・メディカル・ニーズがあります。ND0612は、LD/CDを持続皮下投与することで、従来の経口治療と比べてレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することで、パーキンソン病患者の運動症状の日内変動を減少させることが期待されています。
ニューロダーム(NeuroDerm Ltd.)について
中枢神経領域の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療機器(デバイス)とを組み合わせる優れた技術開発力を有するイスラエルの医薬品企業で、革新的な技術を通じて治療の負荷を軽減し、患者さんとその家族の生活の質を改善することをめざしています。田辺三菱製薬は、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域でパイプラインを拡充するため、2017年10月に完全子会社化しました。www.neuroderm.com
お問い合わせ先
田辺三菱製薬株式会社 ファーマ戦略本部 PR部 TEL:06-6205-5119