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ニュースリリース パーキンソン病治療薬候補品ND0612の治験論文がランセット・ニューロロジー誌に掲載

2024年3月19日

三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)の完全子会社であるニューロダーム社(本社:イスラエル レホボト市、CEO:一色健吾)が、運動症状の日内変動を有するパーキンソン病患者さんを対象に実施したND0612の第3相臨床試験に関する論文が、3月15日(英国時間)に「The Lancet Neurology(ランセット・ニューロロジー)」誌に掲載されました。

論文タイトル:Safety and efficacy of continuous subcutaneous levodopa-carbidopa infusion (ND0612) for Parkinson’s disease with motor fluctuations (BouNDless): a phase 3, randomized, double-blind, double-dummy, multicentre trial
DOI(Digital Object Identifier:デジタルオブジェクト識別子):https://doi.org/10.1016/S1474-4422(24)00052-8

今回、The Lancet Neurology誌に掲載された論文には、運動症状の日内変動を有するパーキンソン病患者さんを対象に、レボドパ/カルビドパ(LD/CD)を24時間持続皮下投与する治験薬ND0612投与群(以下「ND0612群」)と、LD/CDの経口即放剤投与群(以下「経口剤群」)の、有効性、安全性および忍容性を比較評価した結果が公表されました。主な試験結果は以下のとおりです。

  • ND0612群は経口剤群に対し、主要評価項目である「日常生活に支障のあるジスキネジアを伴わないON時間」を統計学的に有意(p<0.0001)に改善した。(1.72時間)
  • ND0612群は経口剤群に対し、主要な副次評価項目である「OFF時間(薬が効いていない時間)」を統計学的に有意(p<0.0001)に短縮した。(1.40時間)
  • その他以下の副次評価項目についても、統計学的に有意な結果を示した。
    • 「国際パーキンソン病・運動障害疾患学会-パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)パートII(日常生活動作)」(-3.05[-4.28、-1.81]、p<0.0001)
    • 「全般的印象評価尺度-変化(PGIC)」(オッズ比[以下「OR」]:5.31 [2.67, 10.58], p<0.0001)
    • 「臨床全般改善度(CGI-I)」(OR: 7.23 [3.57, 14.64], p<0.0001)
  • 安全性プロファイルは同様で、いずれの群でも発生頻度が最も高かった有害事象は注入部位反応だった(ND0612群は57%、経口剤群は43%)
  • 一部の注入部位反応(注入部位結節、注入部位内出血、注入部位感染、注入部位紅斑、注入部位疼痛、注入部位焼痂、および注入部位腫脹)の発生頻度は、経口剤群よりND0612群で高かった。投与期間中に何らかの理由で治験を中止した被験者はND0612群では6%(有害事象による中止は5%)、経口剤群ではそれぞれ6 %と3%だった

田辺三菱製薬グループは、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域において、神経変性疾患に向きあうすべての人に新しい治療の選択肢を届けるための取り組みを進めています。本治験結果の論文掲載により、LD/CDを持続的に皮下投与するND0612が、運動症状の日内変動を有するパーキンソン病患者さんにとって新たな治療の選択肢になることを期待しています。

ND0612について

ND0612は、レボドパとカルビドパ(LD/CD)を液剤化し、注入ポンプを用いて患者さんに24時間持続皮下投与する治療法です。経口のLD/CD治療では、レボドパの血中濃度の変動により安定した臨床効果を得るのが難しいというアンメット・メディカル・ニーズがあります。ND0612は、LD/CDを皮下投与することで、従来の経口治療と比べてレボドパの血中濃度を持続的に安定させ、薬物動態プロファイルを改善することで、パーキンソン病患者さんの運動症状の日内変動を減少させることが期待されています。
なお、ND0612は、現在米国FDAに承認申請中で、FDAの判断は処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)により、2024年の第2四半期までになされる見込みです。承認取得後は、ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ社(本社:米国ニュージャージー州、取締役社長:川上泰利)が販売する予定です。

ニューロダーム(NeuroDerm Ltd.)について

中枢神経領域の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療機器(デバイス)とを組み合わせる優れた技術開発力を有するイスラエルの医薬品企業で、革新的な技術を通じて治療の負荷を軽減し、患者さんとその家族の生活の質を改善することをめざしています。田辺三菱製薬は、研究開発の重点領域に定める中枢神経領域でパイプラインを拡充するため、2017年10月に完全子会社化しました。
www.neuroderm.com

ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ(Mitsubishi Tanabe Pharma America, Inc.)について

米国・ニュージャージー州のジャージーシティに拠点を持つ田辺三菱製薬の完全子会社で、北米におけるパイプラインの開発や進展、および製品の販売を目的に、2015年に設立しました。
www.mt-pharma-america.com


お問合せ先

三菱ケミカルグループ コーポレートコミュニケーション本部 大阪コーポレートコミュニケーション部 TEL:06-6205-5119

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