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ニュースリリース 田辺三菱製薬とマラリア研究機関の新規作用機序抗マラリア薬の共同研究に対し、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)から助成決定
2023年9月27日
三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村明広、以下「田辺三菱製薬」)は、マラリア治療の研究機関であるMedicines for Malaria Venture(以下、MMV)と共同研究を進めており、このたび新規作用機序抗マラリア薬の前臨床候補物質創出を目的とするプロジェクトについて、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund、以下「GHIT Fund」)から3.34億円の助成を受けることとなりました。
本プロジェクトは、2年間のプログラムにおいて単回投与可能で熱帯熱マラリアと三日熱マラリアの予防または三日熱マラリアの再発予防に効果を示す抗マラリア薬の前臨床候補物質創出を目指します。田辺三菱製薬は、2015年にGHIT Fundを通して田辺三菱製薬の医薬品化合物ライブラリー(約5万化合物)をMMVに提供し、GHIT Fundの助成を受け共同研究を開始しました。また2019年からは新規抗マラリア薬の候補となるリード化合物2種類の最適化を進めてきました。今回、創出をめざす前臨床候補物質はその成果から得られたものです。さらに三日熱マラリアの評価のため、ジョージア大学(University of Georgia、以下「UGA」)が新たに本プロジェクトのパートナーに加わり、田辺三菱製薬、MMV、UGAの共同研究として取り組みます。
マラリアは、エイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の一つで、マラリアの根絶は、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)」の目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲットです。また田辺三菱製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「医療アクセスの向上」を掲げています。GHIT Fundを通じたマラリアに対する一連の取り組みは、SDGsの達成と開発途上国における医薬品アクセスの向上に貢献するものと考えています。
田辺三菱製薬は、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品の創製を通して、持続可能な社会の実現に寄与するとともに、病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を提供していきます。
参考
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民ファンドです。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資、ならびにポートフォリオ・マネジメントを行っています。治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、GHIT Fundは日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進しています。詳しくは、https://www.ghitfund.org をご覧ください。
マラリアについて
2020年の死亡者数が62.7万人に上るマラリアはPlasmodium属の寄生虫による感染症です。人への罹患は5種類が知られており、特に問題なのは、サハラ以南のアフリカを中心に、最も致死率が高く症例の93%を占める熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum)と、東南アジア及び中南米で流行し、肝臓に潜伏する休眠体により治癒後に再発を引き起こす三日熱マラリア(Plasmodium vivax)です。現在のマラリア治療は、アルテミシニン併用療法が主流ですが、既に東南アジアでは感受性の低下が認められており、死者の多いアフリカでの耐性拡大は、重大な脅威と言われています。
お問い合わせ先
三菱ケミカルグループ コーポレートコミュニケーション本部 大阪コーポレートコミュニケーション部 TEL:06-6205-5119