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ニュースリリース GARDPと田辺三菱製薬、薬剤耐性菌に対する新規抗菌薬創製に向けた契約を締結

2022年11月24日

 Global Antibiotic Research and Development Partnership(グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ、本部:スイス ジュネーブ、代表:マニカ・バラセガラム、以下「GARDP」)と田辺三菱製薬株式会社( 本社:大阪府大阪市、代表取締役:上野 裕明、以下「田辺三菱製薬」)は、薬剤耐性菌に対する新規抗菌薬を創製する目的で、田辺三菱製薬が所有する化合物ライブラリ(5万化合物)をGARDPに提供する契約を締結しました。抗菌活性を評価するスクリーニングは、韓国パスツール研究所により実施されます。この契約は、薬剤耐性菌による重篤な細菌感染症に取り組むGARDPの取り組みを支援します。

 薬剤耐性菌は、その数が増える一方、それらに対する抗菌薬の開発は進んでおらず、急速に増大する世界的な健康の脅威となっており、毎年130万人近くが薬剤耐性菌による感染で死亡しています*1。重篤な細菌感染症、特にグラム陰性細菌感染症は、世界保健機関(WHO)により世界的な公衆衛生上の優先事項として特定されています。

 GARDPのサイエンティフィック・ディレクター、ローラ・ピドック教授は次のように述べています。
 「これまで抗菌活性についてスクリーニングされたことのない田辺三菱製薬の化合物ライブラリにアクセスできることは大変な栄誉です。韓国パスツール研究所と確立したハイスループットスクリーニング手法により、この好機を生かす体制は整っています。今後もこのような機会に恵まれることを期待しています。」

 田辺三菱製薬の創薬本部長である縄野雅夫は次のように述べています。
 「田辺三菱製薬は『病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。』をMISSIONとして定め、事業活動を展開しています。マテリアリティの中では『医療アクセスの向上』を掲げ、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)であるシャーガス病・リーシュマニア症を対象としたスクリーニングに自社化合物ライブラリを提供し、得られたヒット化合物に基づき創薬共同研究を実施する等、グローバルヘルスに取り組んできました。今回、さらに新たな疾患の研究に協力出来ることを大変喜ばしく感じています。」

 田辺三菱製薬が提供する化合物ライブラリは、WHOがそれらに対する新しい抗菌薬が早急に必要であると判断した細菌*2に対して評価されます。このスクリーニングを通して、 GARDPと田辺三菱製薬は薬剤耐性菌に対する新たな抗菌薬に繋がる化合物の同定を目指します。


GARDP(Global Antibiotic Research and Development Partnership:グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ)について

GARDPは、健康に最大の脅威をもたらす薬剤耐性感染症の新規治療薬を開発するスイスに本部を置く非営利団体です。抗菌薬を必要とするすべての人が、有効で入手可能な価格で治療を受けられるようにするため、2016年に世界保健機関 (WHO) およびDNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ) により発足し、2018年に法人化しました。入院中の成人や子供たちの感染症、新生児の敗血症、性感染症に焦点を当て、薬剤耐性感染症を克服するための新しい治療法を開発しています。GARDPは、オーストラリア、ドイツ、日本、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、南アフリカ、スイス、英国、国境なき医師団、ウェルカム・トラスト、民間財団から資金提供を受けて活動しています。 GARDPはGARDP Foundationとして法人登録されています。

https://www.gardp.org

田辺三菱製薬株式会社について

三菱ケミカルグループ(MCG)のファーマ部門である田辺三菱製薬は、1678年に創業、日本の医薬品産業発祥の地である大阪の道修町に本社を置き、医療用医薬品事業を中心とする製薬企業として、最も歴史ある老舗企業の一つです。MCGは経営方針「Forging the future 未来を拓く」の中で、ヘルスケアを最重要戦略市場に位置付けています。当社は、「病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。」をMISSIONとし、これを実現するため、中枢神経・免疫炎症領域を中心に、有効性・安全性が高い患者層を見出し、治療満足度の高い薬剤をお届けする「プレシジョンメディシン」に取り組みます。また、予防・未病、重症化予防、予後にも目を向け、治療薬を起点に患者さんの困りごとに応える「アラウンドピルソリューション」を展開していきます。
https://www.mt-pharma.co.jp/

韓国パスツール研究所 (Institut Pasteur Korea) について

韓国パスツール研究所は、韓国とフランスにおける科学提携の一環として2004年に設立された非営利の感染症研究機関です。主力研究分野である、細胞レベルおよび画像を活用したスクリーニングプラットフォームを通じ、疾患のメカニズムの解明や新たな治療薬の開発を加速することで、新型コロナウィルスや中東呼吸器症候群(MERS)を含む新興感染症から、ジカ熱、ウィルス性肝炎、結核、薬剤耐性菌、ガン、顧みられない病気に至る世界的な保健問題の解決に取り組んでいます。韓国パスツール研究所は、韓国と国際的なバイオ医薬品に対する研究の橋渡し役として、世界的かつ学際的なプロジェクトを促進するための基礎技術の提供により、韓国の科学、知識、技術の発展と世界的な感染症対策に寄与する創薬研究の最前線に立っています。25カ国出身の33名のメンバーで構成される韓国パスツール研究所は、パスツール・ネットワークのアジア太平洋地域における重要拠点として、早期の創薬に注力しています。

www.ip-korea.org



お問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社
(三菱ケミカルグループ コーポレートコミュニケーション本部 大阪コーポレートコミュニケーション部) TEL:06-6205-5119

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