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ニュースリリース ALS治療薬エダラボン 経口懸濁剤MT-1186のグローバル第3相臨床試験結果について
2021年12月10日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:上野裕明、以下「田辺三菱製薬」)は、当社の開発子会社であるミツビシ タナベ ファーマ ディベロップメント アメリカ(Mitsubishi Tanabe Pharma Development America, Inc.)が実施したエダラボン経口懸濁剤(MT-1186、以下「本剤」)の筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)を対象とした長期安全性および忍容性を評価するグローバル第3相臨床試験(MT-1186-A01、以下「本試験」)の24週投与時点の結果を、第32回ALS/MND国際シンポジウム(12月7~10日オンライン開催)において発表しましたので、お知らせします。
本試験の結果から、以下の通り、新たに開発されたエダラボン経口懸濁剤について、24週投与までの安全性と忍容性に関する重要なデータが得られました。
【試験概要】
本試験は、米国、カナダ、欧州および日本の約50施設において、185名のALS患者(18歳以上75歳以下)を対象に、オープンラベルで実施しました。本試験は、ALS患者における本剤の24週および48週投与時の安全性と忍容性を評価することを主要目的としました。
【試験結果】
本試験の24週投与時点において、本剤を1回以上服用した185名の被験者の安全性は、ALS治療薬であるエダラボン点滴静注製剤(日本製品名:「ラジカット®注30mg」および「ラジカット®点滴静注バッグ30mg」、米国製品名:「ラジカヴァ」)の安全性プロファイルとおおむね一致しました。主な有害事象は、筋力低下(16.2%)、転倒(15.7%)、疲労(7.6%)、背部痛(7.0%)、便秘(7.0%)、頭痛(5.9%)および呼吸困難(5.4%)でした。また、治験薬と関連ありと判断された重篤な有害事象はありませんでした。
本試験の被験者の中で、11名(5.9%)が有害事象により試験を中止となり、このうち2例は治験薬と関連ありと判断されました。試験中止に至った主な有害事象は呼吸不全および筋力低下であり、疾患の進行に関連した事象でした。24週間の試験期間中に6名の死亡が報告されましたが、いずれも治験薬と関連なしと判断されました(呼吸不全(3名)、ALS(1名)、肺炎(1名)、自殺(1名))。
有効性については、ALS患者の障害進行の評価尺度であるALS機能評価尺度改訂版(ALSFRS-R)を用いて探索的に評価しました。試験開始時、被験者の平均ALSFRS-Rスコアは40.0、24週時のALSFRS-Rスコアのベースラインからの平均変化量は−5.6(95% CI-6.5,-4.8)であり、エダラボン点滴静注製剤のALSを対象とした第3相臨床試験のエダラボン群と同程度でした。
田辺三菱製薬グループは、本試験の結果をもって、速やかにMT-1186の承認を得るべく、各国薬事当局への対応をおこなっています。
私たちは、ALS患者さまのための新たな治療選択肢を速やかにお届けできるよう、たゆまぬ努力を続けてまいります。
■エダラボン経口懸濁剤(MT-1186)について
MT-1186は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象に、田辺三菱製薬の開発子会社であるミツビシ タナベ ファーマ ディベロップメント アメリカ(Mitsubishi Tanabe Pharma Development America, Inc.)が開発中のエダラボン経口懸濁剤です。2019年10月にFDAよりファストトラック指定を受けています。なお、現在実施中のMT-1186-A03試験は、MT-1186-A01試験を完了された患者を対象とした最長96週投与の継続試験です。MT-1186-A01およびMT-1186-A03試験を合わせると、最長144週間のデータが得られます。
■エダラボンについて
田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤であり、脳梗塞急性期の治療薬として、2001年4月に厚生労働省から承認され、国内ではラジカット®の製品名で販売しています。ALSの適応症については、2015年6月に日本、同年12月に韓国、2017年5月に米国、2018年10月にカナダ、2019年1月にスイスなど、現在8か国で承認されています。
■Mitsubishi Tanabe Pharma Development America, Inc. について
ミツビシ タナベ ファーマ ディベロップメント アメリカ(MTDA)
MTDAはニュージャージー州ジャージーシティー(Jersey City, New Jersey)を本社拠点にしています。MTDAは田辺三菱製薬が100%出資するMitsubishi Tanabe Pharma Holdings America, Inc.(ミツビシ タナベ ファーマ ホールディングス アメリカ)の子会社です。MTDAはALS治療領域では、米国で二十数年ぶりの薬剤となるRadicava(ラジカヴァ)の承認を取得した実績があります。MTDAでは、今後もアンメットメディカルニーズに応える革新的な医薬品の開発を進めてまいります。
https://mt-pharma-development-america.com/
本リリースに関する報道関係者からのお問い合わせ
田辺三菱製薬株式会社 コミュニケーションクロスローズ部 TEL:06-6205-5119