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ニュースリリース 新型コロナウイルス感染症ワクチン候補MT-2766の日本における臨床試験の開始について
2021年9月30日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:上野 裕明、以下「当社」)は、 連結子会社であるメディカゴ社(本社:カナダ ケベック市、社長:長尾 隆)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防をめざして開発している、植物由来のウイルス様粒子(Virus Like Particle、以下「VLP」)ワクチン(開発番号:MT-2766、グラクソスミスクライン社(本社:イギリス ロンドン)のパンデミックアジュバントを併用)について、10月2日より日本において第1/2相臨床試験(以下「本試験」)を開始しますので、お知らせします。当社は、2022年3月 までにMT-2766の 日本での承認申請をめざします。
本試験の概要は、以下の通りです。
- 被験者:20歳以上の日本人男性および女性 計145名
- 試験方法:ランダム化プラセボ対照試験。被験者を高用量群、低用量群、プラセボ群の3群に割りつけ、21日間隔で2回接種
- 評価項目: MT-2766の安全性および免疫原性
MT-2766は、カナダ、米国、英国、ブラジル、アルゼンチン、メキシコで約24,000人の治験参加者を対象にした第2/3相臨床試験の第3相パートの投与を終了し、現在結果を解析しています。海外で実施した試験および本試験のデータを用いて、早期の日本におけるMT-2766の承認取得をめざします。
当社グループは、中期経営計画21-25において、ワクチン領域を、中枢神経・免疫炎症領域とならぶ重点領域と位置付け、ワクチン領域においても新しいモダリティの開発に取り組んでいます。すなわち、新しいタイプのワクチンとなる植物由来VLPワクチンという新たな選択肢を届けることで、世界の最重要課題である感染症予防により一層貢献してまいります。
*本試験の詳細は、臨床研究実施計画・研究概要公開システム(https://jrct.niph.go.jp/)から、検索画面を選択し、jRCT番号(jRCT2051210093)を入力して検索し、閲覧してください。
◆VLPワクチンについて
ウイルス様粒子(Virus Like Particle)製造技術を用いた新規ワクチンです。VLPは、ウイルスと同様の外部構造を持ち、ワクチンとしての高い免疫獲得効果(有効性)が期待されることに加え、遺伝子情報を持たないため体内でウイルスの増殖がなく、安全性にも優れる有望なワクチン技術として注目されています。また、植物を使用したVLP製造技術により、短期間で大量生産が期待されます。
◆メディカゴについて
メディカゴ社は、1999年に設立した、VLP技術を用いた新規ワクチンの研究開発に特化したカナダのバイオ医薬品会社で、遺伝子操作によって植物の細胞内にVLPを生成させ、効率的に抽出・精製する独自技術を有しています。アンメットメディカルニーズに応える新しい医薬品を創製し、グローバルに提供する経営基盤の構築に取り組む田辺三菱製薬は、新規バイオロジクス技術の獲得を通じたさらなるワクチン事業の展開をめざし、2013年9月に主要株主となりました。現在メディカゴ社は、新型コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザワクチンなどの開発に取り組んでおり、VLP技術を活用した各種ワクチンの研究開発と製造を通して、世界の皆さまの健康と感染症予防に貢献するために取り組んでいます。
本リリースに関する報道関係者からのお問い合わせ
田辺三菱製薬株式会社 コミュニケーションクロスローズ部 TEL:06-6205-5119