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ニュースリリース 米国におけるALS治療薬のラインナップを強化 リルゾール経口フィルム製剤を導入
2021年1月22日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:上野裕明、以下「田辺三菱製薬」)は、米国における連結子会社であるミツビシ タナベ ファーマ ホールディングス アメリカ(Mitsubishi Tanabe Pharma Holdings America, Inc. 以下、「MTHA」、本社:米国ニュージャージー州、社長:川上泰利)が、アクエスティブ セラピューティクス社(Aquestive Therapeutics, Inc.)と、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:以下「ALS」)の治療薬である「エクサヴァン」(米国製品名:ExservanTM 、一般名:「リルゾール」)経口フィルム製剤の米国におけるライセンスおよび販売契約を、1月21日に締結しましたのでお知らせします。
ALSは、運動神経が選択的に変性・消失し、四肢、顔、呼吸筋等の全身の筋力低下と筋萎縮が進行性に起こる原因不明の神経変性疾患であり、嚥下障害を併発しているALS患者さんに対して、「エクサヴァン」の利便性は高く、ALSの治療薬である「ラジカヴァ」との併用も可能な薬剤です。
米国における「エクサヴァン」」の販売は、米国における販売子会社であるミツビシ タナベ ファーマ アメリカ(Mitsubishi Tanabe Pharma America, Inc.)が行い、2021年半ばを予定しています。
田辺三菱製薬は、ALS治療薬として「ラジカヴァ」(エダラボン注射剤)に続き、「MT-1186(治験コード)」(エダラボン経口懸濁剤)についても、現在、グローバル開発を実施しています。今般の米国における「エクサヴァン」を加え、ALSと闘う一人でも多くの世界の患者さんのために、様々な治療選択肢を提供しながらALS疾患治療へ貢献することをめざします。
・Mitsubishi Tanabe Pharma America, Inc.の現地プレスリリース
Mitsubishi Tanabe Pharma America and Aquestive Therapeutics announce U.S. Licensing and Supply deal for RILUZOLE Oral Film for ALS Treatment
◆参考◆
■エクサヴァン(ExservanTM :リルゾール経口フィルム製剤)
リルゾールの経口フィルム製剤であるエクサヴァンは、PharmFilm®という革新的なドラッグデリバリー技術を活用してアクエスティブ セラピューティクス社が開発しました。経口フィルム製剤は患者さんの舌に貼ることによって、水や食べ物がなくても素早く溶解します。経口フィルム製剤の開発中は、リルテック(製品名:RILUTEK®、一般名:リルゾール)錠が標準製剤でした。リルゾール経口フィルム製剤は米国食品医薬品局(FDA)により2018年にオーファンドラッグ指定を受けており、2019年11月に承認されています。
■エダラボンについて
田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤であり、脳梗塞急性期の治療薬として、2001年4月に厚生労働省から承認され、ラジカット®の製品名で販売しています。脳虚血に伴い発生するフリーラジカルを消去し、脂質過酸化反応を抑制し、虚血領域、あるいはその周囲の神経細胞を保護する作用を有することから、ALSの病態で上昇するフリーラジカルを消去して運動神経を酸化ストレスから保護し、筋力低下、筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられています。
ALSの適応症については、2015年6月に日本、同年12月に韓国、2017年5月に米国、2018年10月にカナダ、2019年1月にスイス、同年7月に中国および2020年7月にはインドネシアの7か国で承認されています。
また、嚥下障害のあるALS患者さんが少なくない状況を考慮し、服用しやすい経口懸濁剤エダラボン経口懸濁剤(MT-1186)について、グローバルでの第3相臨床試験(MT-1186-A01)を実施中です。2019年10月には、FDAよりファストトラック指定を受けています。
■ミツビシ タナベ ファーマ ホールディングス アメリカ(MTHA)
Mitsubishi Tanabe Pharma Holdings America, Inc.
米国におけるアライアンス、マーケティング含めた米国子会社の統括を事業目的に、2000年12月に米国ニュージャージー州に設立されました。MTHAが米国統括会社として米国関係各社の連携を促進させ、米国の大学・ベンチャー等からの創薬シーズ・技術・開発品の評価・獲得を促進させるとともに、トランスレーショナルリサーチの強化を通してパイプラインの充実をめざしています。また、製品の導入機会の探索・評価を積極的に進め、米国において事業基盤の強化に取り組んでいます。
■ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ(MTPA)
Mitsubishi Tanabe Pharma America, Inc.
ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ(MTPA)は田辺三菱製薬株式会社が100%所有する米国の持株会社であるMTHAの完全子会社であり、米国ニュージャージー州に本社を置いています。MTPAは北米における医薬品の販売を目的に設立されました。
■アクエスティブ セラビューティクス社(Aquestive Therapeutics, Inc.)
アクエスティブ セラビューティクス社は革新的な技術を適用して治療上の問題を解決し、患者さんのために医薬品の改良を行っています。中枢神経系やその他アンメットニーズのある領域の治療に特化した独自の製品パイプラインを有しており、標準治療の代替を提供するために、経口投与剤を開発しています。また、他の製薬企業と協業し、PharmFilm®のような独自のベストインクラスの技術を用いて新しい製剤をお届けしており、医薬品開発と商業化のための成果を発揮しています。
田辺三菱製薬株式会社 広報部
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