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ニュースリリース 認知行動療法アプリに関する京都大学、国立精神・神経医療研究センターとのライセンス契約締結のお知らせ-日本初のうつ病治療用医療機器アプリをめざして-

2020年9月1日

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:上野 裕明、以下、「当社」)は、京都大学と国立精神・神経医療研究センター(以下、「NCNP」)が開発したうつ病の治療をめざしたスマートフォン用アプリケーション「こころアプリ(以下、「本アプリ」)」について、当社、京都大学およびNCNPの三者で、本アプリの医療機器製造販売承認取得をめざした臨床開発および販売に関するライセンス契約(以下、「本契約」)を締結しましたので、お知らせします。

 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康増進・行動学分野の古川壽亮教授と、NCNP認知行動療法センターの堀越勝センター長が開発した本アプリは、精神療法の一つである認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy 、以下「CBT」)にもとづく治療用アプリです。これまでにうつ病患者さんを対象とした医師主導臨床研究(FLATT試験*)で、抗うつ薬との併用により、薬剤単独群と比較して、うつ病の症状を改善することが確認されています。娯楽性や視覚的な工夫をこらした本アプリを、薬物療法と併用して使用することで、抗うつ効果をさらに高めることが期待されており、うつ病の治療用アプリとして、日本で初めての医療機器製造販売承認の取得をめざします。

 当社は、本契約により、医療機器としての製造販売承認を取得するために必要な臨床試験(開発番号:MTD-810)の実施、および承認取得後の販売に係る日本国内の権利を独占的に有します。京都大学とNCNPが開発した本アプリを、中枢神経領域を重点領域とする当社が、2025年度までの実用化をめざし開発を進めることで、うつ病と闘う患者さんへ、より身近で簡便にCBTを受けることができる環境を提供していきます。なお、MTD-810は、個人情報を安全に管理するため、富士通株式会社の健康医療情報管理基盤「Healthcare Personal service PlatformHPP)」を利用してシステムを構築しています。

 当社は、従来の低分子や抗体に加えて、デジタル技術を活用した新たなモダリティの開発にも積極的に取り組んでいます。当社でのデジタル技術を活用した取り組みは、2019年から社会実証を行っている生活習慣病を対象とした保健指導サポートアプリ「TOMOCO」が先行しており、MTD-810はそれに続くもので、医療機器アプリは当社初となります。当社はこれからも、医薬品の創製や開発に取り組むとともに、医薬品とデジタル技術や新規テクノロジーを融合させたイノベーションを通して、患者さんの治療の機会を拡げ、アンメットメディカルニーズに応えていきます。

  • Mantani A, Kato T, Furukawa TA, Horikoshi M, et al. Smartphone Cognitive Behavioral Therapy as an Adjunct to Pharmacotherapy for Refractory Depression: Randomized Controlled Trial. Journal of Medical Internet Research 2017;19(11):e373


認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy 、「CBT」)について

認知療法・認知行動療法とは、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法です。近年発達してきた情報処理モデルないしは認知モデルを基盤にした治療法で、行動的技法や認知的技法などを用いて治療されます。

出典:「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」(厚生労働省)


京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野について

健康増進・行動学分野は、2010年の古川壽亮教授着任以来、臨床疫学(根拠に基づく医療EBMの理論的基盤)と認知行動療法(CBT)を2本柱に、人間の健康や疾病にかかわる認知や行動を変容する方法の研究開発に携わっています。とくにコモンメンタルディスオーダー(うつや不安)の予防や改善のための精神療法および薬物療法の検証、身体疾患(過敏性腸症候群、アトピー性皮膚炎、過活動性膀胱、がんサバイバー)への精神療法の研究を進めています。


国立精神・神経医療研究センターについて

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、最先端の医療・研究で脳とこころの病の克服に取り組むナショナル・センターです。研究と医療が一体となり、精神疾患、神経疾患、筋疾患および発達障害の4領域を克服し、脳と心の健康大国を達成することを使命とした研究開発を行っています。その成果をもとに高度先駆的医療を提供するとともに、全国への普及を図ります。


保健指導サポートアプリ「TOMOCO」について

当社が手がける生活習慣病を対象とした保健指導のサポートアプリである「TOMOCO」は、食事・運動・体重などの日常生活の記録を促し、指導者が立てた行動目標に沿ったフォローアップを行うことで、指導対象者の生活習慣の改善と行動変容を促します。国民健康保険や健康保険組合などの保険者が進める保険事業での利用をはじめ医療現場での活用をめざし、現在社会実証中です。

お問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社

報道関係者の皆様
TEL:06-6205-5119

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