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ニュースリリース 季節性インフルエンザの予防をめざした植物由来VLPワクチン(MT-2271)の米国における開発計画の変更および減損損失(非経常項目)発生のお知らせ

2020年4月28日

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:上野 裕明)は、連結子会社であるメディカゴ社(本社:カナダ ケベック市、CEO:ブルース クラーク)が開発中の季節性インフルエンザの予防をめざした植物由来VLPワクチン(MT-2271)について、第3相臨床試験の結果を踏まえて、米国での開発計画を変更することを決定しましたので、お知らせします。

 MT-2271の第3相臨床試験は、成人(18-64歳)および高齢者(65歳以上)を対象に実施いたしました。成人を対象にした臨床試験では、主要評価項目の成功基準を満たさなかったものの、プラセボより優位なインフルエンザ発症抑制効果を確認しております。また、高齢者を対象にした臨床試験では、対照薬である鶏卵ワクチンとの非劣性を示し、主要評価項目の成功基準を満たす結果となりました。これら両試験では、安全性について特に問題ありませんでした。しかし、メディカゴ社が米国FDAと協議を進めた結果、追加の臨床試験の実施を求められたため、米国での承認申請を行わないことに決定しました。なお、本計画の変更にともない、MT-2271に係る無形資産(仕掛研究開発費)の約240億円を減損損失(非経常項目)として2020年3月期決算において計上することといたしました。

 第3相臨床試験の結果については、メディカゴ社から改めて詳細を公表いたします。また、MT-2271はカナダにおいて承認審査中で、カナダの開発計画に変更はありません。

 臨床試験ではプラセボや対照薬(鶏卵ワクチン)との比較において一定の有効性が確認できており、植物由来VLPプラットフォーム技術のメリットを勘案し、現行の製剤よりもさらに有効性を向上させる改良を行うべく、アジュバント※を加えた季節性インフルエンザワクチンの開発について新たに検討を開始いたしました。

 なお、メディカゴ社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応したVLPの作製に成功したことを先般発表しており、新型コロナウイルス感染防止に向けた早期のワクチン開発に貢献すべく、田辺三菱製薬としても引き続き同社を支援すると共に、植物由来VLPワクチンのさまざまな可能性を追求していきます。

  • アジュバントは、医薬品の効果を高めたり補助したりする目的で併用される物質で、ワクチンとともに投与することで免疫原性を高めることが期待されます。

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