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ニュースリリース HIF-PH阻害剤「バダデュスタット(MT-6548)」の国内第3相臨床試験データについて米国腎臓学会(The American Society of Nephrology)にて発表
2019年11月11日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:三津家正之、以下「田辺三菱製薬」)は、腎性貧血を適応症として厚生労働省に医薬品製造販売の承認申請中であるバダデュスタット(MT-6548)の国内第3相臨床試験データを、米国ワシントンで開催された米国腎臓学会腎臓週間(Kidney Week 2019)(2019年11月5日から10日)にて発表しましたので、お知らせします。
- 演題:Randomized, Open-Label, Active-Controlled(Darbepoetin Alfa), Phase 3 Study of Vadadustat for Treating Anemia in Non-Dialysis-Dependent CKD* Patients in Japan(保存期の腎性貧血患者を対象とした試験)
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- *chronic kidney disease(慢性腎臓病)
304名の保存期の腎性貧血患者を対象に52週間投与する、ランダム化、オープン、実薬対照第3相試験を実施した。
- MT-6548群の20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)のダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤群に対する非劣性を示した。さらに、24週以降52週までヘモグロビン濃度は安定して推移し、保存期の腎性貧血患者さんにおけるMT-6548の有効性が52週まで維持されることが確認できた。
- MT-6548群ではベースラインに対してヘプシジン(鉄代謝の制御を担う分子)の低下が見られ、鉄代謝を改善させることが示唆された。
- これまでに報告されているMT-6548の安全性プロファイルと大きく異なる傾向は見られず、保存期の腎性貧血患者さんにおける安全性が確認できた。
- 演題:Randomized, Double-Blinded, Active-Controlled(Darbepoetin Alfa), Phase 3 Study of Vadadustat in CKD Patients with Anemia on Hemodialysis in Japan (ESA治療を受けている血液透析を実施中の腎性貧血患者を対象とした試験)
- 323名のESA治療を受けている血液透析を実施中の腎性貧血患者を対象に52週間投与する、ランダム化、ダブルブラインド、実薬対照第3相試験を実施した。
- MT-6548群の20週および24週の平均ヘモグロビン濃度は、ESAのダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤群に対する非劣性を示した。さらに、24週以降52週までヘモグロビン濃度は安定して推移し、血液透析期の腎性貧血患者さんにおけるMT-6548の有効性が52週まで維持されることが確認できた。
- MT-6548群ではベースラインに対してヘプシジンの低下が見られ、鉄代謝を改善させることが示唆された。
- これまでに報告されているMT-6548の安全性プロファイルと大きく異なる傾向は見られず、血液透析期の腎性貧血患者さんにおける安全性が確認できた。
日本では、約1,330万人が慢性腎臓病である(エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018)と推定されており、多くの患者さんが腎性貧血に悩まされています。現在の標準治療は、ESA(注射剤)であり、1日1回の経口投与が可能であるバダデュスタットが、新たな治療の選択肢を提供できるものと考えています。
田辺三菱製薬は、本剤の供給を通じて、腎性貧血と闘う日本の患者さんにより利便性の高い薬剤を提供するとともに、当社が独占的開発・販売権を有する他のアジア諸国においても、迅速に提供できるよう開発を進めてまいります。
- バダデュスタット(Vadadustat)について
- バダデュスタットは、アケビア社から導入した、慢性腎臓病による貧血の治療のための経口低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(Hypoxia Inducible Factor Prolyl Hydroxylase; HIF-PH)阻害剤です。現在、腎性貧血を適応症として厚生労働省に医薬品製造販売の承認申請中です。バダデュスタットは、高地での緩やかな酸素濃度の低下時に、人体が自然に適応する際に用いられる低酸素状態の改善と同じメカニズムで働きます。人体は高地における低酸素状態では、HIFの産生を上昇させます。当該HIFは鉄の動員とエリスロポエチン(Erythropoietin; EPO)産生の相互依存的プロセスを調整することで赤血球の産生を高め、最終的に酸素運搬を改善します。
- アケビア社(Akebia Therapeutics Inc.)について
- アケビア社は、腎臓病患者さんに対する治療にフォーカスしたバイオ製薬企業です。アケビア社は2007年に設立され、ケンブリッジ(米国マサチューセッツ)に本社を置いています。
詳しくは、www.akebia.comをご覧ください。