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ニュースリリース 固形がんに対する抗体薬物複合体であるMT-8633について FDAが第1相臨床試験開始のためのINDを受領
2019年2月14日
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:三津家正之、以下「田辺三菱製薬」)は、当社の米国における研究子会社であるタナベ リサーチ ラボラトリーズ U.S.A.(Tanabe Research Laboratories U.S.A. Inc.;TRL)が研究を進めているc-Met陽性固形がんに対する抗体薬物複合体であるMT-8633(TRL開発番号TR1801-ADC)について、米国食品医薬品局(FDA)が第1相臨床試験を開始するための新薬臨床試験開始届(IND)を受領しましたので、お知らせします。
MT-8633は、TRLが開発したアゴニスト活性を持たない新規抗c-Met抗体とメディミューン(MedImmune Limited、本社:米国、COO:Matt Bell)が開発した抗がん剤であるピロロベンゾジアゼピン(PBD)誘導体を結合させた抗体薬物複合体であり、前臨床モデルにおいてc-Met陽性腫瘍に対して強力かつ用量依存的な抗腫瘍活性を示しました。
c-Met(肝臓成長因子レセプター(HGFR)とも言われる)は、結腸直腸、非小細胞肺がん、胃、食道、膵臓、胆管をはじめ多くの腫瘍に発現する受容体型チロシンキナーゼの一種で、がん細胞の増殖を亢進することが知られています。
MT-8633については、当社の研究知見がまだ蓄積されていないがん領域への挑戦であり、オープンイノベーションを活用する手法を選択しています。大和証券グループのDCIパートナーズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:成田宏紀)が設立したOpen Innovation Partners株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:成田宏紀)と田辺三菱製薬との間で2017年12月にライセンス契約を締結しており、本枠組みの中で、今後の研究開発を加速させていきます。
田辺三菱製薬は、重篤な疾患と闘う世界の患者さんの希望となる医薬品をいち早くお届けできるよう、研究開発活動を進めてまいります。
- Tanabe Research Laboratories U.S.A. Inc.(TRL)について
- タナベ リサーチ ラボラトリーズ U.S.A.
TRLはカリフォルニア州サンディエゴに拠点を置く田辺三菱製薬の子会社であり、バイオ医薬品候補物質を創製し、開発する役割を担っています。現在、TRLはまだ満たされていない高い治療ニーズがある腫瘍や他の疾患をターゲットとした抗体や抗体関連の研究に注力しています。
TRLは抗体薬物複合体(ADCs)の研究開発や前臨床のリード化合物の特定に向けて、他社やアカデミアとの協業をおこなっています。 http://trlusa.com
- MedImmune Limitedについて
- メディミューン
メディミューンはアストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発会社です。メディミューンは革新的研究を進めており、呼吸器、炎症および自己免疫、心血管および代謝、腫瘍、神経、感染症およびワクチンを含む重要な治療分野に渡って新しい治療ルートを探求しています。メディミューン本社はアストラゼネカのグローバル研究開発3拠点の一つであるメリーランド州ゲイザーズバーグにあります。
- Open Innovation Partners株式会社(OIP)について
- OIPはMT-8633の開発に特化した目的で、国内最大級のバイオ専門ファンドである「大和日台バイオベンチャー投資事業有限責任組合(以下、本ファンド)」を運営する大和証券グループのDCIパートナーズ株式会社によって設立された医薬品開発会社です。OIPは本ファンドからの資金を活用し、MT-8633の研究開発を加速させていきます。