田辺三菱製薬のニュースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者等への情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。ニュースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ニュースリリース ニューロダーム社の買収手続き開始の合意について

2017年7月24日

 当社は、ニューロダーム社(NeuroDerm Ltd.、本社:イスラエル国レホヴォト、CEO:オデッド・S・リベルマン(Oded S. Lieberman)、ナスダック上場)の買収手続き開始について、本日ニューロダーム社と合意しましたので、下記の通りお知らせいたします。
 今後、ニューロダーム社の株主総会での承認、およびその他法的手続きの完了を条件に、ニューロダーム社を存続会社とし、当社のイスラエル国における買収目的会社(以下、「SPC」)を消滅会社とする逆三角合併を行い、ニューロダーム社は当社の完全子会社となる予定です。
 なお、普通株式およびストックオプションを含む本買収の取得価額の総額は、約11億米ドル(約1,241億円)(一株あたり39.00米ドル)となる予定です。

  1. 1買収の目的と背景

 ニューロダーム社は、パーキンソン病の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療器具(デバイス)とを組み合わせる優れた技術開発力を有する医薬品企業です。現在、米国および欧州でフェーズ3に移行し、2019年度に上市が見込まれるパーキンソン病治療薬「ND0612」を中心に開発を推進しています。
 パーキンソン病の治療では、疾患の進行に伴い、代表的な治療薬であるレボドパの血中濃度を適切にコントロールすることが重要です。「ND0612」は、ニューロダーム社が有する製剤技術により、経口治療薬であるレボドパおよびカルビドパの液剤化に世界で初めて成功し、それらを携帯ポンプにより24時間持続的に皮下注射する製剤です。これによりレボドパの血中濃度を一定にコントロールし、進行したパーキンソン病患者さんにおいて問題となる運動症状の改善が期待されています。

 当社は、中期経営計画16-20「Open Up the Future」において、世界最大の医薬品市場である米国を中心に成長するため、自社販売による持続的成長基盤を早期に構築することをめざしております。その第一歩として、2017年8月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬ラジカヴァの米国市場での販売開始を予定しております。さらに、今回のニューロダーム社買収による「ND0612」の獲得により、中期経営計画の目標である2020年度までの米国売上収益800億円の達成が可能になると考えています。医薬品とデバイスを組み合わせた神経疾患領域のパイプラインを拡充することで、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的な医薬品を創製し、患者さんに貢献してまいります。

  1. 2ニューロダーム社の概要
(1) 名称 NeuroDerm Ltd.
(2) 所在地 Ruhrberg Science Building, 3 Pekeris Street, Rehovot 7670212,
Israel
(3) 代表者の役職・氏名 Oded S. Lieberman, PhD, Chief Executive Officer and Director
(4) 事業内容 中枢神経系治療薬(パーキンソン病等)の研究開発
(5) 資本金 49千米ドル(2017年3月31日時点)
(6) 設立年月日 2003年3月18日
(7) 大株主及び持株比率
(2017年7月17日
時点)
Scopia Capital Management LP and affiliates 16.6%
Robert Taub 12.3%
Uwe Wascher 11.4%
Shmuel Cabilly 10.0%
その他  
(8) 上場会社と当該会社 
との間の関係
資本関係 該当なし
人的関係 該当なし
取引関係 該当なし
(9) 当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態
決算期 (単位: 千米ドル) 2014年12月期 2015年12月期 2016年12月期
資本合計 39,469 97,056 149,570
資産合計 43,914 100,868 156,063
売上収益 - - -
営業利益 △13,381 △17,970 △33,092
当期利益 △29,864 △15,609 △32,496
基本的及び希薄化後1株 
当たり当期利益(米ドル)
△12.97 △0.82 △1.48

ニューロダーム社は国際会計基準で財務諸表を作成しており、「経常利益」に該当する項目は記載しておりません。

ニューロダーム社の開発パイプライン

製品名 一般名 想定適応症 ステージ
ND0612 レボドパ / カルビドパ
持続皮下注投与ポンプ / パッチ製剤
パーキンソン病
(中程度 / 重症)
P3
ND0701 アポモルフィン
持続皮下注投与ポンプ
パーキンソン病
(重症)
P2
ND0801 ニコチン及びオピプラモール
経皮剤
中枢神経系疾患に伴う認知障害 P2
  1. 3取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1) 異動前の所有株式数 0株(議決権の数:0個)
(議決権所有割合:0%)
(2) 取得株式数 26,345,938株(2017年7月21日現在)
(議決権の数:26,345,938個)
(3) 取得価額 ニューロダーム社の普通株式 1,117百万米ドル(約1,241億円)
1株あたり39.00米ドル
アドバイザリー費用等(概算額)  11億円
合計(概算額)  1,252億円
(4) 異動後の所有株式数 26,345,938株
(議決権の数:26,345,938個)
(議決権所有割合:100.0%)

取得価額には、普通株式およびストックオプションを含みます。なお、ストックオプションの行使により、取得株式数が増加する可能性があります。
1米ドル=111.13円で換算 (2017年7月21日時点)
ニューロダーム社 株価33.20米ドル (ナスダック終値2017年7月21日時点)

  1. 4本買収の日程
2017年7月 当社がイスラエルにSPCを設立
2017年7月24日 ニューロダーム社、当社およびSPCを契約当事者とする合併契約を締結
2017年9月(予定) ニューロダーム社が株主総会を開催し、同株主総会にて本合併を承認
2017年10月(予定) ニューロダーム社を存続会社とし、SPCを消滅会社とする吸収合併の効
力発生(逆三角合併)
2017年10月(予定) 当社が、ニューロダーム社を完全子会社化

当社及びSPCは、ニューロダーム社の普通株式を保有する同社の取締役3名(合計持株比率 約34%)との間で、上記各取締役がニューロダーム社の株主総会において本合併の承認に賛成することを内容とする議決権行使契約を締結しています。

  1. 5今後の見通し

 本買収が成立した場合の、当社の連結業績に与える影響については、現在精査中であり、買収手続き完了後、改めてお知らせいたします。

<参考>本買収スキームの模式図

ニュース2017年に戻る

このサイトでは、より良いコンテンツの提供を目的にクッキーを使用しています。サイトの閲覧を続けることでクッキーの使用に同意したことになります。
プライバシーポリシー