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ニュースリリース ジェネリック医薬品事業等の会社分割及び子会社の異動に関するお知らせ
2017年3月28日
当社は、本日開催の取締役会において、当社の保有するジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部について、製造販売承認を含む販売権、製造委受託契約、共同開発契約ほかの関連契約、在庫、商標権、著作権並びに安全管理情報のすべてを田辺製薬販売株式会社(以下「田辺製薬販売」といいます。)に吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)により承継させた上で、田辺製薬販売の全株式をニプロ株式会社(本社:大阪市北区本庄西3丁目9番3号 代表取締役社長:佐野 嘉彦 以下「ニプロ」といいます。)に譲渡すること(以下「本取引」といいます。)を決議しましたので、下記のとおりお知らせします。
なお、本吸収分割は、当社の100%子会社を対象とする吸収分割であるため、開示事項・内容を一部省略しています。
- 1本取引の目的
当社は2008年に販売会社としての田辺製薬販売を設立し、「品質」「安定供給」「情報提供」を信条に「リライアブルジェネリック」の標榜のもと、ジェネリック医薬品事業を行ってまいりました。
昨今、日本におけるジェネリック医薬品市場は、政府による使用促進策の導入により2020年度には数量シェアの80%を占めるまで成長することが見込まれています。その一方で、同一品目に数十社が参入し競争が激化する等、将来に向けてますます事業環境の変化が予想されます。
このような事業環境を踏まえて当社ジェネリック事業の最適化を検討した結果、市場での一層のシェア拡大と事業効率の向上が必須であり、自ら事業を継続するよりも、ジェネリック医薬品の豊富な開発経験と多様な生産体制を有するニプロに、ジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部を譲渡することで、医薬品の安定供給を効率的に継続できると判断いたしました。
ニプロは、医薬品、医療機器、ファーマパッケージング(医療用包装材料)等の事業を展開している会社です。医薬品事業では、製造から販売までのサプライチェーンを強みとし、注射剤や経口剤、外用剤など多彩な医薬品を提供しております。また、当社のジェネリック医薬品や長期収載品の受託製造等で良好な関係を構築しております。
これからも、田辺三菱製薬は、革新的な新薬の創製を通じて医療の未来を切り拓く取り組みを一層強化し、患者さんの健康に貢献してまいります。
- 2本吸収分割及び株式譲渡の要旨
- (1)本吸収分割及び株式譲渡の日程
本取引承認取締役会決議日 | 平成29年3月28日 |
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株式譲渡契約締結日 | 平成29年3月28日 |
吸収分割契約締結日 | 平成29年7月1日(予定) |
本吸収分割の効力発生日 | 平成29年10月1日(予定) |
株式譲渡日 | 平成29年10月1日(予定) |
(注)・本吸収分割は、当社においては会社法第784条第2項に定める簡易吸収分割であり、田辺製薬販売においては会社法第796条第1項に定める略式吸収分割であるため、いずれも吸収分割契約の承認に関する株主総会を開催いたしません。
・吸収分割契約に関する取締役会決議は、6月下旬に行われる予定です。
- (2)本吸収分割の方式
当社を吸収分割会社とし、田辺製薬販売を承継会社とする吸収分割です。
- (3)本吸収分割に係る割当ての内容
当社は、田辺製薬販売の発行済株式の全てを所有しているため、本吸収分割に際して、田辺製薬販売から当社に対する対価の交付は行いません。
- (4)本吸収分割に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社は、新株予約権及び新株予約権付社債ともに、発行しておりません。
- (5)本吸収分割により増減する資本金
本吸収分割による当社の資本金の増減はありません。
- (6)承継会社が承継する権利義務
本吸収分割の効力発生日において、原則として、当社の本事業に属する資産、負債、製造販売承認、契約上の地位及びこれらに付随する権利義務のうち、吸収分割契約において定めるものを承継します。
- (7)債務履行の見込み
本吸収分割の効力発生日以降において田辺製薬販売が負担すべき債務について、履行の見込みに問題はないと判断しています。
- 3本吸収分割の当事会社の概要(平成28年3月31日現在)
分割会社 | 承継会社 | |||||
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(1)名称 | 田辺三菱製薬株式会社 | 田辺製薬販売株式会社 | ||||
(2)所在地 | 大阪市中央区道修町3丁目2番10号 | 大阪市中央区道修町3丁目2番10号 | ||||
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 三津家 正之 | 代表取締役社長 八田 雅夫 | ||||
(4)事業内容 | 医療用医薬品を中心とする医薬品の製造・販売 | ジェネリック医薬品の製造販売並びにプロモーション | ||||
(5)資本金 (平成28年12月末現在) |
50,000百万円 | 100百万円 | ||||
(6)設立年月日 | 昭和8年12月15日 | 平成20年4月1日 | ||||
(7)発行済株式数 (平成28年9月末現在) |
561,417,916株 | 8,301株 | ||||
(8)決算期 | 3月31日 | 3月31日 | ||||
(9)大株主及び持株比率 (平成28年3月末現在) |
(株)三菱ケミカルホールディングス | 56.34% | 田辺三菱製薬(株) | 100.00% | ||
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) | 4.53% | |||||
日本生命保険相互会社 | 2.15% | |||||
日本トラスティ・サービス信託銀行(株)(信託口) | 1.99% | |||||
(株)三菱東京UFJ銀行 | 1.29% | |||||
(10)直近事業年度の財政状態及び経営成績 | ||||||
分割会社[連結] | 承継会社[個別] | |||||
平成28年3月期 | 平成26年 3月期 |
平成27年 3月期 |
平成28年 3月期 |
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純資産 | 816,713百万円 | 492百万円 | 251百万円 | 175百万円 | ||
総資産 | 930,242百万円 | 6,348百万円 | 6,042百万円 | 6,578百万円 | ||
1株当たり純資産 | 1,436.63円 | 59,757.88円 | 30,575.75円 | 21,138.81円 | ||
売上高 | 431,701百万円 | 14,051百万円 | 13,598百万円 | 13,812百万円 | ||
営業利益 | 94,907百万円 | 433百万円 | △69百万円 | △497百万円 | ||
経常利益 | 94,763百万円 | 437百万円 | △67百万円 | △499百万円 | ||
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
56,434百万円 | 251百万円 | △101百万円 | △736百万円 | ||
1株当たり当期純利益 | 100.60円 | 30,578.78円 | △12,356.65円 | △88,702.33円 |
- 4分割する事業部門の概要
- (1)分割する部門の事業内容
本吸収分割によって分割する事業は、当社が保有するジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部です。
承継会社への分割を予定している主な製品は以下のとおりです。
ジェネリック医薬品:アロプリノール(先発品:ザイロリック)、ドネペジル(同:アリセプト)、レバミピド(同:ムコスタ)、クエチアピン(同:セロクエル)等、51成分(平成29年6月追補品目を含む)
オーソライズド・ジェネリック医薬品:タリオンAG
長期収載品:アドナ、アスパラ-CA、アスベリン等(田辺製薬販売で取り扱っている長期収載品14成分と田辺三菱製薬で取り扱う長期収載品12成分)
- (2)分割する部門の経営成績(平成28年3月期)
売上高 12,893百万円
なお、分割する部門の売上高は、当社から田辺製薬販売に対して販売するジェネリック医薬品及び当社から特約店に対して販売する長期収載品の一部に係るものであります。
- (3)分割する資産、負債の項目及び金額(平成28年3月31日現在)
資産 | 負債 | ||
---|---|---|---|
項目 | 帳簿価格 | 項目 | 帳簿価格 |
流動資産 | 10,268百万円 | 流動負債 | 2,110百万円 |
なお、上記の金額は平成28年3月31日現在の金額に基づく見込み額であり、実際に分割される金額は上記と異なることがあります。
- (4)会社分割後の状況
当社の名称、所在地、代表者の役職・氏名、資本金、決算期に変更はありません。また承継会社の名称、所在地は変更する予定ですが現在のところ決まっていません。その他の項目(代表者の役職・氏名、資本金、決算期)に変更はありません。
また、会社分割後の承継会社の財政状態及び経営成績は以下のとおりです。
承継会社[個別] 平成28年3月期 |
|
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純資産 | 8,332百万円 |
総資産 | 11,668百万円 |
売上高 | 15,503百万円 |
営業利益 | 2,338百万円 |
- 5株式譲渡先の概要
(1)名称 | ニプロ株式会社 | ||
---|---|---|---|
(2)所在地 | 大阪市北区本庄西3丁目9番3号 | ||
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 佐野 嘉彦 | ||
(4)事業内容 | 医療機器、医薬品及び医療用硝子・魔法瓶用硝子等器材品の製造販売 | ||
(5)資本金(平成28年12月末現在) | 84,397百万円 | ||
(6)設立年月日 | 昭和29年7月8日 | ||
(7)連結純資産(平成28年3月末現在) | 175,507百万円 | ||
(8)連結総資産(平成28年3月末現在) | 708,882百万円 | ||
(9)大株主及び持株比率 (平成28年3月末現在) |
日本電気硝子(株) | 14.00% | |
日本トラスティ・サービス信託銀行(株) | 10.20% | ||
(株)りそな銀行 | 3.13% | ||
日本マスタートラスト信託銀行(株) | 2.70% | ||
資産管理サービス信託銀行(株) | 2.38% | ||
(10)上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 平成28年3月31日時点で、ニプロは当社株式3,821,700株を所有しております。 | |
人的関係 | 該当事項はありません。 | ||
取引関係 | ジェネリック医薬品や長期収載品の受託製造等 | ||
関連当事者への該当状況 | 該当事項はありません。 |
- 6譲渡株式数及び譲渡前後の所有株式の状況
(1)異動前の所有株式数 | 8,301株 (議決権の数:8,301個) (議決権所有割合:100.00%) |
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(2)異動株式数 | 8,301株 (議決権の数:8,301個) |
(3)異動後の所有株式数 | 0株 (議決権の数:0個) (議決権所有割合: 0.00%) |
- 7今後の見通し
本件による今期(平成29年3月期)連結業績に与える影響はありません。
(参考)
- 平成29年10月1日(本吸収分割の効力発生日、株式譲渡日)の取引
MTPC:田辺三菱製薬、TSH:田辺製薬販売、NP:ニプロ
TSHは10月に会社名変更予定(新社名は未定)
対象事業:ジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部
なお、田辺三菱製薬が取り扱う長期収載品12成分は下記のとおりです。
薬効分類 | 製品名 | |
---|---|---|
1 | 全身麻酔剤 | ラボナール注射用0.3g, 0.5g |
2 | 解熱鎮痛消炎剤 | ジソペイン錠75 |
3 | 鎮けい剤 | アトロピン硫酸塩注0.5mg「タナベ」 |
4 | 鎮咳剤 | メチエフ散10%、注40mg |
5 | 鎮咳剤 | フスタゾール散10%、錠小児2.5mg、糖衣錠10mg |
6 | 去痰剤 | チスタニン糖衣錠100mg |
7 | 甲状腺, 副甲状腺ホルモン剤 | チウラジール錠50mg |
8 | その他のホルモン剤 | ヒポクライン注射液1.2mg, 2.4mg |
9 | アルキル化剤 | 注射用サイメリン50mg, 100mg |
10 | 機能検査用試薬 | LH-RH注0.1mg「タナベ」 |
11 | 機能検査用試薬 | TRH注0.5mg「タナベ」 |
12 | 機能検査用試薬 | ヒトCRH静注用100μg「タナベ」 |
- 当期連結業績予想(IFRS)(平成29年2月6日公表分)及び前期連結実績(単位:百万円)
売上収益 | 営業利益 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | |
---|---|---|---|---|
当期連結業績予想 (平成29年3月期) |
425,000 | 96,000 | 97,500 | 72,000 |
前期連結実績 (平成28年3月期) |
425,764 | 81,803 | 83,255 | 59,306 |