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ニュースリリース 次世代新規ワクチンの共同研究契約締結について
2012年3月7日
田辺三菱製薬株式会社(大阪市、社長:土屋 裕弘)は、このたび、カナダ・ケベック市のメディカゴ社(Medicago Inc., CEO: アンディ・シェルドン)と、同社のウイルス様粒子(Virus Like Particles)製造技術を用いた新規ワクチン(以下、「VLPワクチン」)の共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。今回の契約に基づき、両社は、「ロタウイルスワクチン」を始めとする新規「VLPワクチン」の共同研究を開始いたします。
VLPは、ウイルスと同様の構造を持つことから、ワクチンとしての高い免疫獲得効果が期待され、かつ体内でウイルスの増殖がなく安全性に優れるため、有望なワクチン技術として注目されています。メディカゴ社は、植物の細胞内に遺伝子操作によってVLPを生成させ、効率的に抽出・精製する独自技術を有しており、それによって、VLPを安価に短期間で製造することが可能です。
両社は、様々な新規「VLPワクチン」を共同で研究してまいりますが、最初の品目として「ロタウイルスVLPワクチン」の研究を今春より開始いたします。ロタウイルスによる感染は、乳幼児に胃腸炎を引き起こします。国内では年間約80万人が発症し、そのうち約8万人が重症化していると推計され、感染予防が重要視されています。両社は、既存の生ワクチン特有の課題解決が期待される「ロタウイルスVLPワクチン」の創製をめざし、共同で研究を進めてまいります。
田辺三菱製薬は、これまで築いてきたワクチンビジネスにおける販売基盤をもとに、競争力のある新たなワクチンに係る製品・技術の導入や研究開発にも積極的に取り組み、疾病予防の観点から社会に貢献してまいります。
- 【メディカゴについて】
- メディカゴ社は植物を利用して、目的とするタンパクを一過性発現によって迅速かつ安価で製造する独自技術を有しており、VLPワクチンやバイオシミラーの研究開発に取り組んでいます。同社の臨床開発パイプラインには、季節性インフルエンザワクチンおよびパンデミックH5N1インフルエンザワクチンがあります。また研究段階の品目として狂犬病ワクチン、さらには米国陸軍感染症研究所との協業でエボラ出血熱ワクチンの開発にも取り組んでいます。